研究課題/領域番号 |
25257416
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
渡邉 和男 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90291806)
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研究分担者 |
河瀬 眞琴 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00192550)
奥泉 久人 国立研究開発法人農業生物資源研究所, 遺伝資源センター, 研究員 (20370645)
磯崎 博司 上智大学, 地球環境学研究科, 教授 (40106597)
吉岡 洋輔 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50462528)
松井 健一 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50505443)
香坂 玲 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (50509338)
P・J Matthews 国立民族学博物館, 研究部, 准教授 (70281590)
山本 伸一 国立研究開発法人農業生物資源研究所, 遺伝資源センター, 研究員 (70370690)
大澤 良 筑波大学, 生命環境系, 教授 (80211788)
西川 芳昭 龍谷大学, 経済学部, 教授 (80290641)
入江 憲治 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (90408659)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 植物遺伝資源 / 少数民族 / 照葉樹林 / 伝統知 / 山岳地帯 / 生物多様性 / 保全 / 持続的利用 |
研究実績の概要 |
治安, 気候, 政情や法的な事項を考慮し, 実施可能性を現地と調整し, 現地主務省や公的地権者等との許可を担保した. 特に次2点を調査の主体とした。西アジアまでの拡大アジア圏の僻地・少数民族地域での作物遺伝資源の保全・利用動態の現状の情報の収集・整理。政治的・地理的隔離があり国家の権力や支援が及ばない地域でも低投資で成立している自給作物栽培体系に大変化が起こっている可能性があることの現地調査例構築。年初に国際シンポジウム参加を兼ねて西川、入江、香坂、磯崎及び渡邉が国内集会を実施した. これに先立ち、渡邉、山本、奥泉、河瀬、大澤、吉岡及び松井は筑波大学にて活動の確認を行った。マシウスとは、渡邉が個別に計画検討を行った。イランーインドーミャンマータイーラオスー中国雲南省に渡る山岳地・照葉樹林・少数民族地帯と相関の高い国境を越えた民族活動のある地帯にて調査を検討し、イランーインドーミャンマータイーラオスをつなぐ地帯の調査を分担で行った.また研究倫理の外部検査も国連大学よりうけ研究計画の倫理的公平性を担保した. 特にイランは, 前年度調査の許可を受け, H26年度も調査を行った. 収集材料について筑波大学で保全評価した。調査の小型機材を充実し現地のGPS情報や映像の撮影能力の強化を行った。 別予算も利用し, 8月イランを訪問. 7月にミャンマー, 11月前後に雨期を避けてインドー東南アジアの本格調査を分担実施。ミャンマーは、河瀬ザガイン、渡邉カチン、マシウス、西川、入江及び香坂ミャンマー中部の調査を行った。ラオスは奥泉と山本が調査を行った。マシウスは、インド東北部の調査も実施した。 山岳地帯の乱開発の急激な進行により、遺伝資源が失われているだけではなく、少数民族で使用する伝統知知見も散乱しつつ有る現状が認識された。保全と持続的利用への提言に向けて見解の意見交換をネットで行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査関連課題i)-vi)に渡り現地調査と情報の整理:現地予備調査を実施し, メンバーの共通理解を得るとともに, 予備調査の報告書を香坂らがH26年度に発表した。H27年度に2点程度報告予定で, 特にii)自給作物栽培体系の変化可能性があることの現地本格調査及びv)辺境の少数民族独自の在来品種や低利用の作物種の遺伝資源の情報の収集体系化と文書化及ビデオ映像化の実施と現場の状況の現地調査については十分な基盤情報が確保できたと考えられる. 出口課題であるiv)遺伝資源の国際利用の可能性の枠組みの検討及び vi) 学術非商業利用ABSのモデルとしてABS研究の実践の事例候補の検討については, 渡邉及び磯崎を主体としてH26年度も学会等への成果発表やモデル事例提供等を行い, 成果発信をおこなっており, かなりの進捗が有ると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
下記i)-vi)の枠組みを継続実施し、情報収集と整理及び分析を充実させる。i) 西アジア(特にイラン)までの拡大アジア圏の僻地・少数民族地域での作物遺伝資源の保全・利用動態の現状の把握について文献調査継続 ii)自給作物栽培体系の変化可能性があることの現地調査 iii)僻地・少数民族地域での持続性維持と開発協力の調和への提要の要素の文献調査継続 iv)遺伝資源の国際利用の可能性の枠組みの検討進行,v)辺境の少数民族独自の在来品種や低利用の作物種の遺伝資源の情報の収集体系化と文書化及ビデオ映像化の試行 vi) 学術非商業利用ABSのモデルとしてABS研究の実践の事例構築 別予算も利用し調査許可状況に応じ, 5月頃にイランを訪問. 8月頃にミャンマーに調整訪問, 11月前後に雨期を避けてインドー東南アジアの本格調査.特にラオス及びミャンマーは昨年度を継承し, 9-11月の作物収穫時期を調査予定. 年度末に向けて現地諸政府との次年度調整をおこない中国雲南省は治安状況に応じ調査を実施. サブグループ形成し,文献調査, フィールド調査及び実験研究をともなう研究を行う. 連係研究者海外共同研究者の協力を得る. 1)多様性評価及び分類:2)民族植物学的観点からの利用評価:3)社会経済的観点からの種子の利用と農民の権利研究:4)民族・人類学的研究:5) 政治及び社会動態との関連の評価:7) ABS事項の事例: 7) 総合的な文書化基盤作り.
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