研究課題
本課題は2009年5月からの約1年間に中部ベトナム、ニャチャン市に出生した1999名の新生児を対象として、環境要因(家畜飼育、水源、世帯収入等)を把握し、同地域唯一の小児科病棟へ入院する小児重症疾患を捕捉する長期観察研究(出生コホート研究)を継続することにより、同出生コホート対象児の諸疾患へのリスク要因を広範かつ詳細に把握することをめざした。先行研究によって満2歳までの健康情報を収集した1400名余の調査対象児の追跡を学童期まで継続することで乳児期に多い呼吸器感染症、下痢症に加え、デング熱、腸管寄生虫、B 型肝炎等の罹患情報の蓄積を達成できた。また前年度に論文として報告した家庭内受動喫煙曝露が乳児期の急性呼吸器感染による入院を増加させる健康リスク(RR=1.49、p=0.017)について、アジア民族に比較的高頻度である単一塩基多型に基づくアルデヒド解毒系の遺伝的機能欠損(ALDH2*2アレルの保有:保有者率30%)がリスクをさらに増強させる(RR=1.8、p=0.004)ことを明らかにした。さらに、前年度に居住地区の保健所で行った6-7歳での健康調査での収集データ・生体試料を整理し、喘息等アレルギー性疾患の罹患状況の把握、便DNAを用いた定量PCR法による腸内細菌叢分析を進めた。1202名の病歴聴取から、対象集団の喘息の有病率(5.1%)が判明し、低出生体重が喘息発症の強い要因であることを明らかにした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
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