研究課題
本研究では第一に、鍵表現型と遺伝子発現ネットワークから鍵表現型に関連する情報量を最大化させる連結成分を抽出し、処置の効果を総合評価する統計量を開発することを目的とした。そして第二に、生物群集の遺伝的多様性とその時空間変動を定量的に評価するために、サンプリング方式を考慮に入れた基準化多様度指数を開発し、季節変動パターンに揺らぎを導入したベイズ分散分析モデルを開発することを目的とした。目的の第一については情報量規準と遺伝アルゴリズムにより極大コア部分グラフを推定するプログラムを完成し、養殖大西洋サケの初期発生過程の発現プロファイルを解析した。現在論文を投稿中である。本研究では、安全性、健全性の評価を許容区間に基づき行う方法の開発に取り込んできた。集団が遺伝的要因や環境要因などで多様に分布することを踏まえ、対象とする集団の分布が参照母集団の分布において異常値とみなされる領域を含んでいないか、評価するアプローチを考案した。相補的な許容区間を用意して2標本に基づき対象母集団の分布の参照母集団の分布による実質被覆性を検定する方法を開発した。その後、これを参照母集団の分布の許容区間の対象母集団の分布における被覆確率を推定する問題に定式化し、現在論文化を目指している。目的の第二については、開発環境前の群集など、対象となる群集の構成種を含む種プールを構成し、群集の構成種の間の分岐年代の分布を種プールにおける分岐年代の分布と比較することにより、種構成の系統的歪みを測る指標を開発した。シミュレーションにより、構成種の系統的偏りがよく表現され、種豊度とは独立な指標になっていることが示された。加えて、台湾北部の原子力発電所の取水口において1980年代から毎月、継時的にサンプリングされた魚群集の時系列データを解析し、論文を刊行した。
2: おおむね順調に進展している
群集の種構成の系統的歪みを表す指標が論文化された。他のプロジェクトについても、論文投稿中、あるいは投稿準備中の段階にある。
本年度は最終年度になるため、成果のまとめと得られた手法と分析を社会に発信することに主な力点を置く。
3月に予定していた学会への参加が他の外国出張と重なったことにより、15万円余り次年度に繰り越しを生じました。
次年度は本プロジェクトの最終年度になるため、積極的な成果発表に繰り越した予算を当てたいと思います。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 2件)
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