本研究では第一に、遺伝子発現プロファイルのデータからエントロピー極大連結グラフを構築する方法を開発した。タイセイヨウサケの初期発生過程の発現プロファイルを解析したところ、鍵遺伝子が発生の段階とともに発現していく様子が明らかになった。第二に、被覆確率の上限と下限を保証する相補的な許容区間を導入し、対象とする集団の分布が参照母集団における異常値を含む確率を統計的に見積もるリスク評価の手法を開発した。第三に、分子系統樹から得られる分岐年代の分布に基づき、生物群集の種構成の系統的歪みを測る指標を開発した。シミュレーション、台湾周辺海域の魚群集、世界諸海域のサメ群集の解析により有効性を確認した。
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