研究課題/領域番号 |
25280009
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
椿 広計 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (30155436)
|
研究分担者 |
春日 文子 国立医薬品食品衛生研究所, 安全情報部, 部長 (40183777)
鈴木 知道 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50251369)
大西 俊郎 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60353413)
逸見 昌之 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (80465921)
筒井 俊之 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所, 研究員 (70391448)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 離散変量 / サンプリング検査 / 国際標準化 / 不確かさ / ツイーディ分布 / 食品微生物規格 |
研究概要 |
2013年7月6日に研究班全体会合を開催し,食品安全性に関わる統計的課題として,椿,春日,大西,逸見を中心として離散分布の抜き取り検査方式設計,鈴木を中心として離散変量の不確かさ評価の問題を確認するとともに,新たな研究課題としての複合ポアソンモデル(ツイーディ分布モデル)とその食品分野への応用可能性を大西,筒井が検討した.また,必要な離散単変量抜き取り検査方式については,ポアソン分布での計算ツールとそれに基づくOC曲線を確認した.抜き取り検査方式,離散変量の不確かさに関する国際標準化活動の進展を調べるために,2013年6月3日から7日まで米国ミルウォーキー市アメリカ品質学会本部で開催された国際標準化機構第69専門委員会「統計的方法の適用」に椿,鈴木,研究協力者の加藤が参加した.また,ポアソン分布を前提とした3レベル抜き取り検査方式について,代表者,分担者で2013年9月に開催された統計関連学会連合大会で報告した.2013年11月4日に第2回研究班全体会合を開催し,鈴木研究室から離散変量の不確かさに関わるモデリングの専門家である堤を招待し,意見聴取を行うとともに,食品安全分野の抜き取り検査利用の実際的側面について議論した.その結果,春日が主催する食品産業界における食品微生物に対する抜き取り検査を利用した食中毒リスクマネジメントの研究会に,椿を派遣し,現場の問題などを継続的に学習することとした.これについては,春日と共に椿が2013年度は2回研究会に参加した.理論的には,複合ポアソンモデルのベイズ推論の検討,ポアソン回帰モデルによる連続変量のセミパラメトリックモデリング,相関のある離散多変量モデルなど離散変量周辺のモデル化について先行研究を含め検討した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論的評価,検討は概ね順調に進んでいる.また離散変量の不確かさに関わる方法論のレビューも進み,国際標準化への貢献も生じている. 一方,その実装については,昨年度は行わなかった.当初昨年度後半に業者に対して負の二項モデルに基づく抜き取り検査方式を開発し,その設計支援ソフトウェアの開発を委託する予定であったが,予定していた研究協力機関への開発委託は,予想以上に予算がかかると判明し,多変量など一連のモデリングが終了するまで行わない方針を第2回班会議で決定した.
|
今後の研究の推進方策 |
ツイーディモデルの食品安全分野への適用については,分担者の中の理論系研究者(大西)と実験系研究者(筒井)との共同研究の立ち上げに期待している.本年度は,実装準備研究としては,単変量モデルとしての負の二項モデルの抜き取り検査方式に関するOC曲線評価のアルゴリズム開発,理論研究としては相関のある離散多変量モデル開発についての検討を進める.引き続き,国際標準化への協力,食品産業界実務家との研究会参加は継続する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
初年度予定していた抜き取り検査設計システムの委託開発が予定より高額となるため中止ししたため. 抜き取り検査方式については,業者を変更し,委託開発部分を限定すること,一部自組織開発を行うことで開発予算を減額し対応の予定.
|