研究課題/領域番号 |
25280011
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
亀山 充隆 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (70124568)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高安全システム / リアルワールド応用 / 画像認識 / 危険要素検出 / アルゴリズム選択 / VLSIプラットフォーム / ダイナミックリコンフィギャラブルVLSI |
研究実績の概要 |
人間にふりかかる重大な危険を察知する高安全知能システム応用のためのVLSIプラットフォームとして,コンフィグレーションメモリサイズを激減可能なパケット転送制御方式,パワーゲーティング,高性能低電力ダイナミックリコンフィギャラブルVLSI (DRVLSI)に関する要素技術を開発した. 1.危険要素の抽出アルゴリズムとリアルワールド応用知能システムの実証実験:種々の危険要素を検出する画像認識などのアルゴリズムについて,強盗検出や歩行者の交通事故の応用を開拓した.また,リアルワールド環境での上記知能処理アルゴリズム群の中から,実環境において最も適切となるアルゴリズム要素の部分集合とそれらの入出力接続関係を自律的に選択・決定する方法を,モジュール選択機能の実用性をシミュレーションにより行った. 2.メモリアクセスパターンに着目したDRVLSIアーキテクチ:DRVLSIの構成のため.処理アルゴリズムのコントロールデータフローグラフを作成し,メモリとのアクセスパターンに着目し,それぞれに適合するDRVLSIアーキテクチャを考察した. 3.レジスタトランスファレベルパケット転送に基づくDRVLSI:マイクロパケットデータ転送に基づくコンフィグレーションメモリサイズの減少効果を,シミュレーションにより評価した.また,DRVLSIの静的消費電力を大幅に削減するため,非同期式方式等のデータ到来情報を容易に利用できることに着目した,細粒度パワーゲーティングについて評価を行った.以上のパケット転送制御方式,非同期方式パワーゲーティング,さらにマルチコンテクスト方式を融合したDRVLSIのコアとなる基本モジュールの構成を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,ダイナミックリコンフィギャラブルVLSIアーキテクチャ全体の設計と評価を平成26年度中に完了する予定であったが,アルゴリズム選択機構の改良とその応用事例の開発に勢力が注がれ,ダイナミックリコンフィギャラブルVLSIアーキテクチャの設計に時間が十分とれなかったことが主要な理由である.今後,より実用性が高い,高品質かつ高性能なシステム構築について,実践的に取り組みオリジナルなアイディアに基づくダイナミックリコンフィギャラブルVLSI技術の実証に傾注する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後,高安全知能システムのためのソフトウェア設計と共に,リアルワールド環境認識,予測,行動計画からなる処理モジュールを実行するユニバーサルVLSIプラットフォームの具体的アーキテクチャを考察し,シミュレーションによりその総合的評価を行うことにより,提案アーキテクチャの有用性を明らかにすることが重要である.これにより,携帯機器に備えたカメラからの画像情報やユーザに関わるセンシング情報を活用しユーザにふりかかる危険を未然に察知し,その対処行動の支援を行うインテリジェント携帯機器端末のプロトタイプシステムを構築する.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である.
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度においては,平成27年度請求額と当未使用額とを合わせて高安全システムのソフトウェア構築,リコンフィギャラブルVLSI設計の推進や研究成果発表などをより一層充実させるための経費に使用する予定である.
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