研究課題/領域番号 |
25280013
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 篤司 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30236260)
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研究分担者 |
小平 行秀 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (00549298)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 計算機システム / 設計技術 / 設計工学 / 製造容易化 / リソグラフィ |
研究概要 |
本研究は,ウエハ上に微細な回路パタンを実現する次世代のリソグラフィ技術に着目し,特に次世代リソグラフィ技術として有望な2回露光技術,側壁プロセス技術に対する製造と設計の双方に親和性の高い物理設計技術を開発することで,次世代リソグラフィ技術のための実用的な設計フローを構築することを目的とする.本年度の研究により以下のような成果が得られた. 計算時間やメモリ量の観点から大規模な回路パタンへそのまま適用することは困難であった2回露光技術のための回路パタン分割の基本アルゴリズムを,グラフ構造の特徴を利用して問題を分割する手法を用いることで,大規模な回路パタンへ適用することを可能にした.また,スティッチの面積などを分割の評価に用いることを可能にすることで,スティッチによる歩留まりの低下を抑えることが可能となり,得られる分割の品質の向上が達成できることを確認した. 側壁プロセス技術のための配線アルゴリズムの改良では,従来技術では実現不可能な接続要求に対応するための基本的な対処法を考案した.この対処法に基づき具体的な配線アルゴリズムを構築することで多様な配線問題に側壁プロセス技術を効果的に適用できることが期待される. 現在の高密度なマスク設計では,設計ルールに従うマスクを用いたとしても必ずしもウエハ上に適切なパタンが生成されず,大きな計算時間を必要とするリソグラフィシミュレーションによりマスクの妥当性を検証する.検証の結果,ホットスポットと呼ばれる危険個所が発見されるとマスクの修正が必要となるが,マスク設計期間の短縮のため修正を局所的な範囲に抑えるために基本的なマスク設計フローを構築した. 次年度以降の研究により,本年度の成果をより具体化していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載のとおり,平成25年度に計画していた2回露光技術のための回路パタン分割の基本アルゴリズムの改良,および,側壁プロセス技術のための配線アルゴリズムの改良が達成できた.また,次世代リソグラフィ技術の調査も行いその特徴および問題点を把握できたため,今後研究の方向性を検討していく.また,効率的な設計フロー構築のための基本的なアイデアを得ることができたため,今後具体化していく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
国際会議等での研究発表や情報交換,企業との情報交換を通じて,研究開発の方向性の妥当性の検証を常に行うことで,効率的に研究を推進する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に当初の予定より多くの国際会議発表を行うことになりその旅費として使用するため. 国際会議での発表のための旅費の一部として用いる.
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