研究課題/領域番号 |
25280022
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
小口 正人 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (60328036)
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研究分担者 |
山口 実靖 工学院大学, 工学部, 准教授 (50439262)
中野 美由紀 芝浦工業大学, 教育イノベーション推進センター, 教授 (30227863)
後藤 厚宏 情報セキュリティ大学院大学, その他の研究科, 教授 (90558868)
新谷 隆彦 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 准教授 (30604623)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | クラウドコンピューティング / ビッグデータ / OpenFlow / SDN / 負荷変動 |
研究概要 |
本研究は、ビッグデータ処理基盤におけるバースト的な負荷変動に対応し投機的にシステムを再構築する手法を検討して、これを実験システムに実装し、評価を行って提案手法の妥当性を検証、確認することを目的としている。本提案を実現するために、以下の3つの観点から検討を進めている。1つ目は予兆的な出来事や異常値を元にバースト的な負荷変動を予測する手法、2つ目はクラウド/DC内のインスタンスやデータの負荷変動に則したマイグレーション、3つ目はトラフィックの急変に備えたネットワークのリンク帯域制御である。 平成25年度は上記のうち主に3つ目の、トラフィックの急変に備えたネットワークのリンク帯域制御の部分の手法の検討と試験的実装を進めた。具体的には、OpenFlow/SDNをネットワークのリンク帯域制御として利用すべく、この実行環境を整備した。OpenFlowコントローラソフトウェアとしてTremaを用い、Tremaコントローラにより制御されるOpenFlowスイッチとノードも仮想システム環境内に整えた。その上で、Twitterにより伝えられる緊急地震速報の情報を基に、ネットワークの帯域制御や経路制御をOpenFlowプロトコルを用いて実行するシステムを構築した。具体的には、緊急地震速報の内容がTwitterから伝えられると、その外部入力をトリガーとして、経路を変更したり、経路の容量を増減させたり、複数の経路を同時に使用して通信を行うシステムを実装し、その動作確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までにビッグデータ処理基盤のネットワーク部分について、OpenFlowをベースにした制御システムの基本的な部分を構築できた。現在は、Twitterなどの情報解析を進めてバースト的な負荷変動の予測を行う技術を開発するための検討を進めており、またクラウド/DC環境を構築して実験を行うための準備を進めている段階であり、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、提案手法を実装し評価をおこなうための実験システム全体を構築する。前年度、仮想環境内で構築したOpenFlowを用いた通信制御システムを実環境で構築する予定である。クラウド基盤ソフトウェアを用いて、小規模なクラウド/DC環境を構築し、OpenFlow/SDNスイッチによりノード間接続を行う。 ビッグデータ処理基盤制御サーバは、社会事象やシステムのモニタリング結果を収集し蓄積するものであり、これらの解析を行って、バースト的負荷変動の状態を予測し、投機的システム再構築の指示を出す。Twitterなどのデータを基に、社会事象の解析を行う手法を開発する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画では初年度から提案方式の実装と評価を行う実験環境を実ハードウェアで試験的に構築する予定であったが、実験環境の一部を仮想環境の上のみで実装することができたため、初年度には実ハードウェアの購入を少なくても研究を進めることができた。 2年目以降は実機上に実装して実験を進める予定であるため、元々の予定では初年度に購入する予定だったクラウド/DC環境用のマシン等を2年目に導入し、これを基に研究を進める予定である。
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