研究課題/領域番号 |
25280028
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
飯田 勝吉 東京工業大学, 学術国際情報センター, 准教授 (00332768)
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研究分担者 |
古閑 宏幸 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (20433401)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ネットワークアーキテクチャ / トランスポート層プロトコル / 異種無線ネットワーク / UC3 / サーバ主導型輻輳制御 / SCTP / フロー間公平性 / 広告ウィンドウ |
研究概要 |
ネットワークとサービスの多様化に対応するサーバ主導型トラヒック制御技術の基本アーキテクチャ(Unified Central Congestion Control; UC3)の基本アーキテクチャの設計、実装、評価を行った。設計した基本アーキテクチャは、そのユースケースとして、異種無線ネットワーク環境を前提とし、いずれの無線ネットワークに切り替えるべきかを集中制御する方式とした。具体的には、集中制御エンジンであるTransport Connection Manager (TCM)を開発し、さらにトランスポート層プロトコルSCTPを拡張した。拡張版のSCTPはアクセスポイントの輻輳情報を収集し、収集した情報をTCMに通知する機構とし、TCMからの指示に従って無線ネットワークの切り替えを可能とした。性能評価においては、TCMへの輻輳情報の通知間隔などの基本パラメータが性能に与える影響を明らかにした。 また、サーバ主導型フロー間公平性向上技術について研究した。具体的には、UC3のようなサーバ主導型輻輳制御機構を導入することで可能となるフロー間の公平性向上手法として、広告ウィンドウを用いた方式を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成25年度の目標として挙げていた「サーバ主導型輻輳制御アーキテクチャ」の基本設計を完了したため。全体設計、上り方向通信制御方式、下り方向通信制御方式のすべての設計が完了している。さらに、基本アーキテクチャのプロトタイプ実装および下り方向通信制御方式の実装とそれらの評価が完了している。 さらに、サーバ主導型フロー間公平性向上技術の研究を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度は前年度に設計した基本アーキテクチャ(統一的輻輳制御アーキテクチャ:Unified Central Congestion Control Architecture = UC3)の拡張および関連する性能評価を実施する。 1.UC3アーキテクチャの拡張(東京工業大学;主担当)前年度はトランスポート層プロトコルとしてSCTPを基盤としてUC3の設計を行った。今年度は、昨今普及しつつあるMultiPath TCP (MPTCP)に対応したアーキテクチャとする。 2.関連する性能評価 2.1.連鎖的フロー再割り当てモデルの解析(東京工業大学;主担当)異種無線ネットワーク環境においては通信品質の向上と通信効率の向上の双方が求められる。そこで、UC3によって両者の改善を可能とする連鎖的フロー再割り当てモデルを構築し、その解析モデルを明らかにする。 2.2.サーバ主導型フロー間公平性向上技術の研究(北九州市立大学;主担当)UC3のようなサーバ主導型輻輳制御機構を導入することで、広告ウィンドウを用いたフロー間公平性実現技術が可能となる。当該技術のシミュレーションによる性能評価を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
最終年度に行う予定だったプロトタイプ実装を初年度に前倒しして開発し、詳細なシミュレーション評価の開始時期を次年度以降とするのが適切な状況になったため。 最終年度に行う予定だったプロトタイプ実装のための支出は不要になったので、今年度の余剰研究費とあわせ、計算機購入費、計算機使用料、論文投稿料、学会発表のための旅費などで利用予定である。
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