研究課題/領域番号 |
25280033
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
西 宏章 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (00365470)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | GPGPU / Aho-Colasick / 事故点評定 / FPGA / 匿名化インフラ / スマートコミュニティ |
研究概要 |
インフラ構築軸・情報抽出処理高速化技術について,マルチコンテキスト処理・Aho-Colasickテーブル管理手法の検討を目的とした.実績として,GPGPUを利用したAho-Colasickを用いた,マルチクエリ,マルチストリーム,コンテキストスイッチ文字列検索処理手法を提案し,ネットワーク中の任意のたとえばTCP/IPストリームから,複数のクエリを利用して文字列を抽出する機能の実装と評価を行った.プロセッサ単体に比較して,実際のネットワークストリームを想定した場合,4倍程度高速な文字列検索を達成した.現在,この速度をより向上するべく,比較的新しいGPGPUオペレーションであるwarp-shuffleを利用した手法を検討している. インフラ構築軸・プライバシー保護について,l-多様性におけるキャッシュアーキテクチャ,インフォメーションロス低減手法の提案を目的とした.実績として,k-匿名性とl-多様性の両方に対応した,様々なハッシュを利用してキャッシュタグを構成し,TCAMを排除した新しいハードウエア構成による評価を行った.今後評価を進めるが,従来手法に比しておよそレジスタ使用量は20分の1,回路規模はおよそ半分で,ほぼ同等の性能を得る見込みである.若干情報損失度が大きくなるが,ウィンドウサイズを大きくできるため,この欠点を補完できると考える. インフラ構築軸・FPGA基板への実装・評価では,FPGA基板を利用した基本論理回路設計と基本動作確認を目的とした.上記匿名化回路はFPGA上での評価が行われている. 実証実験軸・対応ルータアプリケーション実証と実環境評価では,制御アルゴリズムなど、実アプリケーション構築が目的であった.実績として,系統安定に必要な同時同量について,現在のEPONを利用した同期補正回路による50m誤差評定を実現した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要に示すとおり,計画を満たしつつ,計画以上に進展した.l-多様性においては,t-多様性も混在したアーキテクチャを構築したため,少々当初の計画以上の進行をみた.PONを利用した時刻同期は,APIの提供も含んでおり,アプリケーション実装と基礎評価も一部含んでいるため,計画以上の進行をみた.マルチコンテキスト処理・Aho-Colasickテーブル管理手法は,GPGPUの搭載を行い,実トラフィックでの基礎評価を行ったため,こちらも計画以上の進行を見ている.その他は,ほぼ計画通りである.
|
今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策について.インフラ構築軸・情報抽出処理高速化技術については,ソフトウエアルータを構築し,その上での評価環境構築へと発展させる.インフラ構築軸・プライバシー保護については,FPGA上での評価を充実させ,他の匿名化手法についても言及を進める.インフラ構築軸・FPGA基板への実装・評価については,ソフトウエアルータにFPGA基板を搭載し,エミュレーションする環境を構築する.実証実験軸・対応ルータアプリケーション実証と実環境評価については,APIを利用したアプリケーション実装と基礎評価であり,特に匿名化インフラに関する検討を進め,提案,評価を行う.
|
次年度の研究費の使用計画 |
25年度実施において,研究利用計画を見直し,より高効率な資金運用をはかった結果,および旅費や物品において,為替や価格変動による見積もり修正などにより生じた差額を来年度に回すことで,より効率的かつ効果的に当該研究の遂行が可能になると考えられたため. インフラ構築軸・情報抽出処理高速化技術については,ソフトウエアルータを構築し,その上での評価環境構築へと発展させる.インフラ構築軸・プライバシー保護については,FPGA上での評価を充実させ,他の匿名化手法についても言及を進める.インフラ構築軸・FPGA基板への実装・評価については,ソフトウエアルータにFPGA基板を搭載し,エミュレーションする環境を構築する.実証実験軸・対応ルータアプリケーション実証と実環境評価については,APIを利用したアプリケーション実装と基礎評価であり,特に匿名化インフラに関する検討を進め,提案,評価を行う.これらの達成に利用する.
|