研究課題
インフラ構築軸としてソフトウエアルータを構築し、評価環境の構築を行った。構築したシステムは、研究会でのデモ展示を行い、大きな反響を得た。インフラ構築軸・プライバシー保護技術について、まずインフラ構築軸に関して、論文投稿を行うと同時に、透かし技術についての検討を進め、評価を行っている。プライバシー保護技術はFPGAによる実装を通して、最終的な評価を行い、成果まとめている状況にある。また、ソフトウエアルータは、完成後さらなる拡張を進めるため、システム設計を継続して行っている。一つは、パフォーマンスの向上である。ソフトウエアルータの欠点は、全ての処理においてメモリコピーを伴うことによる処理速度の低下にあった。近年DPDKと呼ばれる専用ネットワークインタフェースにより、ネットワークインタフェースカードがユーザメモリ空間に直接ネットワークストリームを前処理後転送する機構が利用可能となった。このDPDKとソフトウエアルータとの融合について取り組んでいる。もう一つが、ユーザ目線に立った改善であり、アプリケーション設計効率の向上である。これらの特徴を用いつつ、処理のローカリティを有効活用した利用したレコメンデーションサービスなど各種アプリケーション評価も継続して行っている。匿名化手法はITU-TにおけるFocus Group Smart Sustainable Citiesでの提案を済ませており、近日にDeliverableとして公開される予定である。DPDKの登場と採用により、当初の予定であったフルFPGA実装よりも効率よくかつ、処理スループットの向上を容易に高めることが可能となり、実際に、パケットジェネレータを用いたスループット評価においても基本性能においてDPDKが優れていることが示されている。ただしDPDKは高機能化には適さず、連携アーキテクチャが今後必要となることがわかった。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通りに進んでいる。研究実績の概要でも述べたが、申請時当初はFPGAを用いてパケット処理を高速化する予定であったが、ネットワークストリームの前処理とユーザ領域へ直接ゼロコピーでDMA転送が可能なDPDKの登場により、容易に高速化が可能となった。したがって、全機能をFPGAで実装することの意味が薄れ、積極的にDPDKを利用しつつ不足している機能をFPGAで補うという設計が、より最終目標に近い形態であるといえる。したがって、当初の予定には含まれていないDPDKの積極活用が加わっているが、全体として順調に推移しているといえる。
研究計画通り、実施すると共に、複数のルータが連携して処理をする機構について当初触れていなかったが、この連携機能がスマートコミュニティインフラを形作るうえで、非常に有用となってきた。この点についても検討を重ねる。
・論文投稿のため英文校正費用を確保していたが、論文執筆を来年度に延期したため・Intel Xeon Phi コアプロセッサを購入する予定であったが、Intelより新製品が近いうちには販売されると発表されたため、購入を延期したため
・論文投稿を行い、必要な英文校正費用として使用する。・Intel Xeon Phi コアプロセッサが今年度末発表予定である。購入時期を見極め、新製品が入手できない場合は、実験評価期間も見極めつつ、必要に応じて代替機種を購入のために使用する
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (14件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)
電子情報通信学会誌 Vol.98, No.2, pp.112-117, 2015年2月
巻: 98 ページ: 112-117
自動計測制御学会
巻: 未定 ページ: 未定
International Journal of Computer Network and Information Security (IJCNIS),Vol. 6, No. 7, ISSN: 2074-9090 (Print), ISSN: 2074-9104 (Online) Published By: MECS Publisher
巻: 6 ページ: ページなし
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Intelligent Transportation Systems, IEEE Transactions on (Volume:15 , Issue: 4 ), pp.1388-1404, ISSN 1524-9050, INSPEC Accession Number: 14501119
巻: 15 ページ: 1388-1404
10.1109/TITS.2014.2332472
新建築, 第89巻4号, p.191, 2014年4月1日
巻: 89 ページ: 191