研究課題/領域番号 |
25280050
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
守 一雄 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30157854)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 目撃記憶 / 共同目撃者効果 / 同調 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
偏光フィルタを用いて2種類の映像を被験者に気づかれることなく提示する方法(MORIテクニック)を用いて,複数の目撃者の目撃情報が食い違う状況を実験的に作り出すことで,共同目撃者間の記憶変容を実験的に検証する手法を開発した。本研究計画では,ニュージーランド,カナダ,イギリス,ロシア,マレーシアの海外研究協力者との国際共同研究を行うことで,共同目撃者効果の国際標準値をMori-Garryパラダイムによる同一機器・同一映像実験で測定することを目的としている。さらには,国内においても海外と同様の実験を実施し,共同目撃者効果について国際比較を行うことを目的としている。 平成26年度は新たに国内の研究協力者となった愛知大学井藤寛志の協力を得て,日本人大学生による実験を実施した。この実験成果は,平成27年度にカナダのビクトリアで開催される記憶認知応用研究学会(Society for Applied Research in Memory and Cognition)において研究発表を予定している。 平成25年度の研究成果は,平成26年6月に仙台市において記憶円卓国際会議(International Roundtable on Memory)を企画開催し,ニュージーランドから2名の海外研究協力者(GarryとJack)を招いてシンポジウム発表を行った。このシンポジウムには,国内での実験を行った神戸大学と京都ノートルダム女子大学の研究協力者も研究成果の発表を行った。 同じ場面を目撃した共同研究者に話し合いをさせると同調をしやすくなることが国内でも海外でも同様に観察され,その傾向も同様であることが確認された。上記,京都ノートルダム大学の研究協力者との共同研究の成果はPsychology誌に公刊した。また、その一部を平成27年6月に開催される記憶認知応用研究学会でも研究発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内の実験はおおむね計画通りに進行している。 海外研究協力者による実験の遂行は、ロシアでのものが実施できなくなった。また、マレーシアの実験遂行も、研究協力者のマレーシア国外への転出により難しくなった。それでも、イギリスとニュージーランドおよびカナダの研究計画は進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度6月にカナダのビクトリアで開催される記憶認知応用研究学会の定期集会で関連する研究成果の発表をする。これに合わせて、海外共同研究者を募ることとする。この研究集会では、実験が進行中のイギリス、ニュージーランドおよびカナダの海外研究協力者との情報交換を行い、進捗状況についての確認と、平成28年度の実験実施計画を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究経費はほぼ使い切ったが、少額の残額2,996円が残った。次年度に繰り越して使用する。
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次年度使用額の使用計画 |
少額の端数であるため、平成27年度予算に繰り入れて執行する予定である。
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