研究分担者 |
河原 英紀 和歌山大学, 学内共同利用施設等, 名誉教授 (40294300)
西村 竜一 和歌山大学, システム工学部, 助教 (00379611)
松井 淑恵 和歌山大学, システム工学部, 助教 (10510034)
津崎 実 京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (60155356)
吐師 道子 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (40347779)
中川 誠司 国立研究開発法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究員 (70357614)
籠宮 隆之 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究情報資料センター, 助教 (10528269)
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研究実績の概要 |
高度高齢化社会で不可欠となる効果的な聴覚音声支援の基盤整備を目標として、次の4課題に取り組んだ。 1)健聴者/難聴者の聴知覚特性の解明: 1a)提案してきた非対称レベルマスカを用いた聴覚フィルタ形状-圧縮特性同時推定法の実験を、500 Hz, 1 kHz, 2 kHz, 4 kHzの音声知覚に重要な帯域全てで計測を終了した。適合アルゴリズムも改良した結果、最適に推定ができるようになり、論文執筆を開始した。1b)異なるスペクトル傾斜を持つ音声からの寸法知覚実験に関して、無声音の実験結果と計算理論を国際会議で発表した。さらに有声音を用いた実験が終了し、無声音の場合と同様な傾向があることを示した。1c) 高齢難聴者のピッチ知覚変容と他の指標の相関と、モデル化の検討を進めた。脳波を用いて聴覚系の時間分解能を客観的に測定する手法について検討を進め、良い結果が得られた。まとめる予定である。 2)末梢系模擬難聴の実現:模擬難聴処理音を健聴者に聞かせて、難聴者で圧縮特性が劣化した場合の知覚特性を推定する実験に関して難関国際会議で発表した。模擬難聴GUIも改良し、使い勝手の改善をユーザビリティ評価で確認した。 3)知覚的音声処理の高度化と応用:GCFB聴覚フィルタバンクを用いて、非線形信号処理の音声明瞭度を推定するアルゴリズムを開発し、テストと改良を進め、従来法よりも優れていることを示した。 4)聴覚音声支援:4a)模擬難聴システムを言語聴覚士養成課程における演習で用いる教育プログラムを改善し、昨年度よりも効果的に活用できた。4b)模擬難聴システム利用前後での発声の明瞭性改善に関して、音声収録と第3者による評定を行なった。改善傾向は見えるものの有意差がある結果が得られておらず、今後、実験や評価手法の検討をする必要がわかった。
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