研究課題/領域番号 |
25280081
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古崎 晃司 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00362624)
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研究分担者 |
来村 徳信 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20252710)
熊澤 輝一 総合地球環境学研究所, 研究高度化支援センター, 助教 (90464239)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | オントロジー / 視点管理 / セマンティックデータ / 知的探索 / Linked Data / Open Data |
研究概要 |
平成25年度は,これまでの研究成果を発展させて,本研究の目的である複数領域を横断したセマンティックデータの知的探索の技術的基盤を確立するために,中心となる概念的・技術的課題と,それらの課題の解決方針を検討した.具体的には,下記の項目についての研究を実施した. (1)知的探索に関わる諸概念をオントロジー的に考察して,クラス(概念)レベル・インスタンスレベルの探索と,各レベルにおける探索方法の違いについて考察し,特に,クラスレベルにおいてはオントロジー記述言語の仕様に依って,抽出すべき関係性を整理することの必要性を明らかにした.実装レベルにおいては,オントロジーレベルのAPIや推論機構,RDFベースのクエリ言語であるSPARQLを利用する方法のいずれかを選択,組み合わせるという方針を決定した. (2)オントロジー探索の視点を“注目する概念定義の構造を段階的に展開することで,探索範囲の意味的境界を適切に管理する技術”を利用し,視点管理・選択を円滑に行うことを可能とする「オントロジーに基づく多次元的視点管理」手法を開発し,プロトタイプシステムを実装した. (3)「視点に基づくオントロジー探索結果(概念マップ)の比較・集約」手法の設計・試作を行い,国際ワークショップ内で同ツールを利用したハンズオンセッションを開催し,利用者からのフィードバックを受けた. (4)本研究における知的探索技術の適用対象をこれまでの「オントロジー(クラスレベルの知識)」からLinked Dataを中心とした「インスタンス間の関係(個々の具体的レベルの知識やデータ)」に拡張するに当たり,Linked Dataの検索言語として広く利用されているSPARQLを用いて,探索に必要なWebベースの基本検索ツールを複数試作し,オープンソース・ソフトウェアとして公開した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた,(1)知的探索の実現に必要な技術基盤の検討,(2)「オントロジーに基づく多次元的視点管理」手法の開発,(3) 「視点に基づくオントロジー探索結果(概念マップ)の比較・集約」手法の設計・開発,(4) 知的探索技術の適用対象をLinked Data」へ拡張するに当たっての課題検討,の各項目について,一定の成果が出ている.システム開発という観点からは,理論的な検討が中心である(1)以外について,基本的なプロトタイプシステムの実装が完了している.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に検討した研究・開発方針に沿って,新規システムの開発および試作したシステムの改良を進める.その成果に基づき,本研究課題の目的である「セマンティックデータの知的探索」を実現するための基盤技術となるソフトウェアモジュール群を整備する. さらに,開発したシステムを,サステナビリティ学分野など具体的な領域に適用して初期的な評価を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度に計画していた,ソフトウェア開発の外注作業について,本年度の研究成果として得られた知見をより詳細に反映した完成度を高いシステムを実現するために,次年度に行うことした.なお,この変更により,ソフトウェア開発の効率化が計れると思われる. 次年度の上期早々に,ソフトウェア開発の外注作業に使用する計画である.
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