研究課題
本年度取り組んだ研究と主な成果は以下の通りである.1)m 以下の動的な正整数集合に対して m + o(m) ビットのみを用いて挿入・削除・predecessor クエリをO(log log m) 時間でサポートする新たな決定性の簡潔データ構造を提案した.また,昨年度の成果として得られた省スペースオンライン LZ77 分解アルゴリズムの一部と組み合わせることで,短いパターンの検索に対応した線形時間オンライン構築が可能な省スペース動的索引を提案した.計算機実験により,従来の様々な索引構造に比べて構築時間と検索時間は高速であり,使用メモリも同等に小さいことを示した.2) 文字列中に含まれる極大繰り返し構造(連)発見問題について, Lyndon 語および Lyndon 木に基づく連の新しい特徴づけを発見し,連の組み合わせ的性について重要な知見を得ることができた.このことにより,文字列に含まれる連の最大数が文字列の長さに対して線形であるという,これまで非常に難解だと思われていた文字列組み合わせ論の重要な結果に対して,極めて簡潔な証明を与えることができた.また,文字列に含まれる連の最大数が文字列の長さ未満であるという15年来の未解決問題であった連予想を解くことに成功した.更にこれらの知見に基づき,線形時間で動作する新しい連列挙アルゴリズムを考案した.連列挙の線形時間アルゴリズムは従来 LZ77 分解を計算することが必要であったが,提案アルゴリズムは LZ77 分解を必要としないため,より効率的な連発見アルゴリズムへの可能性を示した.
2: おおむね順調に進展している
昨年度の成果の発展として重要な成果が幾つか得られ,順調に研究が進んでいると言える.
研究の進捗は順調であり、これまで通りにすすめる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)
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