研究課題/領域番号 |
25280093
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
三浦 純 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90219585)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 付き添いロボット / アウェアネス / 移動ロボット / 人物検出・識別 / 人物行動推定 / 視点計画 |
研究実績の概要 |
行動計測システムの開発:前年度に開発した慣性センサ(IMU)とレーザ距離センサ(LRF)を用いたポータブル行動計測システムについて実験的評価を行った.付き添い時の2者の位置関係を計測できること,位置関係の変化から付き添っているかどうかある程度判断できることを確認した.また,高精度3次元LRFを用いて付き添い行動を計測するシステムを新たに開発した. 付き添い行動におけるアウェアネスモデルの構築:まず人物が移動する際の周囲の物体(障害物など)に対するアウェアネスを,人物の移動軌跡からHCRF(隠れ条件付き確率場)を用いて識別する方法を研究し,識別が可能であることを示した.一方,人-ロボット間のアウェアネスに対して,Social Force Modelを用いて評価を行う手法を研究した. 人の動的行動モデルと行動推定:人の意図を推定し適切な付き添い行動を選択する方法を開発した.人が散歩とベンチでの休憩という2つの行動を切り替える状況を想定し,意図推定と付き添い行動の切り替えが行えることを実ロボットで検証した. 人物識別手法の改良・開発:多人数環境下で対象人物を識別する手法について,前年度に開発した複数視覚情報を用いる手法の特徴量と学習手法を改善した.また,対象人物が保持するIMUから測定した足の接地タイミングとLRFから得られる接地タイミングの照合に基づき対象人物を高精度で識別する手法を開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
服の色,顔,身長,歩容,接地タイミングなど多様なデータから付き添い対象人物を高信頼で検出・識別する手法を確立した.また,複雑照明条件下でも顔識別や顔向き推定を画像から行う手法を開発した. 付き添い行動の計測するための手法として,IMUとLRFをによる方法,高精度3次元LRFによる方法を開発し,実データで評価を行った. 人の環境に対するアウェアネスを推定する手法を開発し,実データで推定できることを確認した.また,人-ロボット間のアウェアネスに対して,Social Force Modelを用いて評価を行う手法を開発した. 人の意図を推定しながらの付き添い行動を選択について,状態遷移モデルと意図推定手法,状態ごとの付き添い行動選択を組み合わせた枠組みを開発した.
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今後の研究の推進方策 |
人の付き添い行動におけるアウェアネスモデルの改良と評価:前年度までに開発した付き添い行動計測システムを利用し,環境に対するアウェアネスの推定手法を多様な環境で評価する.また対象人物の安全確保のためのロボットの行動計画手法を開発する.さらに,人-ロボット間のアウェアネスに基づく行動制御について,ロボットの案内行動を対象にモデル化を行い,さらに評価実験を行う. 適切な付き添い行動の選択の枠組みの改良と評価:付き添い行動選択について,これまでに対象とした散歩とベンチでの休憩に加え,知り合いとの立ち話や案内ロボットへの追従など,対象とする人の行動を増やし,前年度までに開発した行動意図推定と適切な付き添い行動の選択を行う枠組みの改良と評価実験を行う. 統合実験による評価:これまでに開発したすべての手法を統合し,多くの人が行き交う実環境でアウェアネスの推定と行動の意図評価に基づいて適切な付き添い行動を取ることのできるロボットを実現する.さらに,多様な環境・状況で付き添い行動の評価実験を行い,各手法の改良を進める.評価は人の行動のスムーズさといった客観的指標と使い勝手のような主観的指標の双方に対して行う.
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