研究課題/領域番号 |
25280094
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新井 健生 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90301275)
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研究分担者 |
前 泰志 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (50304027)
小嶋 勝 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00533647)
大原 賢一 名城大学, 理工学部, 准教授 (50517886)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 腕脚統合型ロボット / 作業移動 / 動作計画 / センシング / アクチュエーション |
研究概要 |
本研究では,壁面(抗重力空間)やパイプなどの内部(閉空間)での移動およびそれらの過程で のメンテナンスなどの作業を腕脚統合型ロボットにより実現する技術の開発を目指し,従来研究として取り組んできた「腕脚統合型ロボットの 3 次元環境作業移動」の研究を発展させ,一般的な抗重力・閉空間での移動作業の実現を目指し,抗重力環境下において自重を支えることができる脚先のデザイン,作業のためのエンドエフェクタおよび脚の機構開発を行った.特に抗重力下での移動を実現する脚先設計を行い,脚先を構成する材料としの検討を行うと共に,作業を可能にするエンドエフェクタを含めた脚機構の設計も同時に遂行し,エンドエフェクタとして利用可能な開閉機構を備えた脚先の試作を行った.また,シミュレーションによりパイプなどの内部(閉空間)を想定した抗重力空間における歩容の検討を行った後,実機での実証実験を行い,抗重力空間を移動可能であることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,一般的な抗重力・閉空間での移動作業の実現を目指し,抗重力環境下において自重を支えることができる脚先のデザイン,作業のためのエンドエフェクタおよび脚の機構開発を行った.駆動機構を持たない足先を用いて,シミュレーションによりパイプなどの内部(閉空間)を想定した抗重力空間における歩容の検討を行い,実際に実機を用いて抗重力空間を移動可能であることを確認した.これは腕脚統合型ロボットが抗重力空間において作業可能であることを示す重要な成果である. また,抗重力下での移動と作業を可能にするエンドエフェクタを含めた脚機構の設計・開発を行った.設計過程において,全体の剛性を検討し直し,新たな高剛性かつ軽量な脚を試作した.さらに,駆動機構を持つ脚先の試作機を完成させた.これらは今後実機に装着して評価を行う予定である.以上のように,本研究課題はおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,開発した抗重力下での移動と作業を可能にするエンドエフェクタを実機に実装し,評価を行う.また,設計過程において,全体の剛性を検討し直し,新たな高剛性かつ軽量な脚を試作したため,これらの新型機を用いた実機による検証を行う. また,駆動機構を持たない足先を用いて,シミュレーションによりパイプなどの内部(閉空間)を想定した抗重力空間における歩容の検討を行い,実際に実機を用いて抗重力空間を移動可能であることを確認したが,多様な歩容の検討を行う必要があるため,歩容の評価手法の確立を行うとともに,今後も様々な歩容の検討を行い,実機実証を進める. さらに,足先に用いる材料の検討も進めると共に,移動・作業および障害物回避などのモーションプランニングが可能なシミュレータの開発を行い,より効率よい移動の実現を目指す.
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次年度の研究費の使用計画 |
新型の腕脚統合型ロボットを作製する予定であったが,本年度は剛性を考慮した設計の変更もあり,本体部分をのぞいた試作機の脚のみを一式作製したため. 旧機種に装着した試作機の評価に基づいて再設計した新型の腕脚統合型ロボットの作製に使用する.
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