研究課題/領域番号 |
25280095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
野村 竜也 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30330343)
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研究分担者 |
神田 崇行 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティクス研究所, 研究員 (90374107)
鈴木 公啓 東京未来大学, こども心理学部, 助教 (60569903)
山田 幸恵 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (30399480)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 対人不安 / ロボット選好傾向 / 信頼的関係性 / 心理尺度 |
研究概要 |
対人不安・評価懸念の高い人間がどのような状況で人よりもロボットとの対話を好むかについて、基礎的な予備実験を複数行った。本研究の最終目標である人間カウンセラーへの誘導を考慮し、個人の悩み等の自己開示を要求する実験を設定、人相手・ロボット相手による条件間での様々な指標の比較を行った。1回目の実験では十分な条件間の差が出なかったため、その原因を考察した上で実験設定を改良し、2回目の実験を行ったところ、対人不安の高い人ほど人前よりもロボットの前で話すほうが緊張が低下する傾向にあることが確認された。今後、より被験者数を増やしてこの傾向を確認すると同時に、ビデオデータ等により高対人不安者の人およびロボット対面時の独自行動を抽出し、ロボットによる対人不安高低のモニタリング技術に繋げていく予定である。 また、本研究において重要なロボットと人との間の信頼的関係性が実際に構築されているかどうかを確認するため、現在心理尺度を開発している。この心理尺度を用いた社会調査を実施し、ロボットの種類や稼働場面によって関係性が変容することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数の予備実験により、ロボットによる対人不安者のモニタリング技術、不安状態推定手法の基礎的部分は出来あがりつつある。新たな実験の設定・継続により、不安低減手法の探索にも着手可能である。
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今後の研究の推進方策 |
今後より精度の高い心理実験を実施することで、対人不安者のモニタリング技術、不安状態推定手法を確立し、さらに不安低減手法の探索も実施する予定である。また、信頼的関係性の心理尺度の妥当性を確認し、より細かな心理測定手法を導入することで、不安低減手法の評価に繋げていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験において当初予定していたロボットの機能追加が、実験設定の改良により必要なくなり、機能追加のためのプログラミングやハードウェア調整のための人件費が執行されなかった。 次年度以降において実験設定の再度改良が予定されており、ここでロボットの機能追加が必要となるため、プログラミングやハードウェア調整のための人件費が執行される予定である。また、大規模な実験を予定しており、被験者への謝金も前年度より多く執行される予定である。
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