研究課題/領域番号 |
25280119
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 義則 東北学院大学, 文学部, 教授 (60320610)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 学術情報 / 電子ジャーナル / 情報利用 / アンケート調査 / 学術論文 / 電子的情報資源 / 情報の需要と供給 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,学術論文をはじめとする研究者の情報利用に焦点をあて,研究者,大学院生がどのように学術論文を発見,収集,活用しているか,そして電子ジャーナル等のインターネット上の電子情報資源の充実および普及といった学術情報の利用・提供環境の変化が,研究者等の情報需要ならびに情報利用,および大学図書館に対する期待と要求にどのような影響を与えているかを明らかにすることにある。 最終年度である平成27年度においては,前年度までに実施した「学術情報の利用に関するアンケート調査」において,45機関の約4,000名の研究者等から得られた回答について,集計,分析および結果のとりまとめを行った。主要な結果は,次の通りである。1) 人文社会科学系においても回答者の約8割が「月に1回以上」利用するとするなど,電子ジャーナルの利用は定着した。2) 電子ジャーナルがあれば印刷体雑誌は不要とする回答者の比率は年々高まっており,特にバックナンバーについては自然科学系で66.2%,人文社会科学系で43.9%に達した。2007年調査,2011年調査と比較するとこの進捗には著しいものがある。3) 自然科学系においては約3割,人文社会科学系においても約2割の回答者が,オンラインで利用可能な論文をプリントアウトせずに画面で読むと回答した。全体としては未だ「紙」で読む回答者が過半数を占めてはいるが,これまでの調査と比較すると,オンラインで読む層が確実に増加していると言える。 これらの成果については,概略をウェブページ(http://screal.jp)で公開するとともに,学術出版関係者との検討会(平成28年3月9日)等を通じて公表した。また,詳細については,補助事業期間延長の承認のもと平成29年度に「研究成果報告書(日本語版,英語版)」を取りまとめ,印刷配布およびウェブページでの公開を行うこととしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では,平成27年度中に「研究成果報告書(日本語版,英語版)の印刷配布およびウェブページでの公開を行う予定であった。同年度内に日本語版の原稿は完成したものの,諸般の事情により,英語への翻訳および全体の印刷出版を行うことができず,該当作業を平成28年度に行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究および海外における同種の調査結果から,学術情報利用は現在大きく変化しつつあり,今後も継続的に定量的に把握していくことが必要である。このため,今後はアンケートの質問項目について,出版流通の変化に合わせて改訂する等の工夫を行いつつ,研究を一層推進させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では,平成27年度中に研究成果報告書(日本語版,英語版)を刊行配布およびウェブページへの掲載によって公開することとしていたが,日本語版の原稿は年度内に完成したものの,英語版の作成および印刷が行えず,止む無く次年度に繰り越すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の早期に,英語版の完成および刊行とウェブページへの掲載を行うために,繰り越した研究費から翻訳経費および印刷経費等を支出する予定である。
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