研究課題
本研究は,大学の研究活動と教育活動を多面的に捉え,大学を多次元で評価・診断する方法の開発を目標としている。本年度は,まず日本の大学の医学部を対象に,教員一人あたりの学生数等の学修環境や英語による授業等の特別なプログラムの実施から医師国家試験合格率という教育成果への影響を検討したところ,特別な教育プログラムのみが正の影響を及ぼしていることが示された。また,学費等の教育経費を加えて検討したところ,教育経費が学修環境に正の影響を与え学修環境と特別な教育プログラムが教育成果に影響を与えていることが示唆された。これらの結果から,特別な教育プログラム等が学生の授業や諸活動への関与(Student Engagement, SE)を高め,教育成果を向上させるというメカニズムが考えられた。そこで,自主性の認知(課題を学生自身に選ばせる)がSEを向上させるか,日本と中国の大学生を対象に実験を行ったところ,自主性の認知がSEに及ぼす効果に文化差があることが示唆された。大学の研究面については,大学研究のプレスリリースと原論文の分析,学術機関リポジトリへの高引用論文とトップ大学の登録状況や分野特徴の調査分析を行った。また,教育と研究それぞれにおける評価指標に多変量解析手法を適用して,インプットとアウトプットの指標値を求め,大学を多次元的に評価する方法を検討した。提案手法の適用可能性は,医学部データを用いて示された。教育評価に関しては,今後蓄積されていく学習データを分析するラーニング・アナリティクス(LA)の適用が重要になると予想している。われわれは,個人の知識状態を診断・フィードバックする手法を,大学の教育力の診断・評価に応用することを視野に入れて,Q-matrixの自動学習方法と推定アルゴリズム,学習者の項目反応パタンから個人正答確率関数と回答傾向を推定する手法の研究開発を行っている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 8件、 招待講演 1件)
Proceeding of the 5th International Conference on Data Science and Institutional Research (DSIR 2016)
巻: - ページ: -
情報知識学会誌
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