研究課題/領域番号 |
25280130
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
伊藤 毅志 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (40262373)
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研究分担者 |
保木 邦仁 電気通信大学, その他部局等, 助教 (00436081)
西野 哲朗 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (10198484)
棟方 渚 北海道大学, 情報科学研究科, 助教 (30552351)
片寄 晴弘 関西学院大学, 理工学部, 教授 (70294303)
池田 心 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (80362416)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ゲーム情報学 / 人間らしさ / 模倣AI |
研究実績の概要 |
プレイヤのレベルが違うと人間らしいと感じる手自体に違いが生じる可能性がある。そこで、人間プレイヤの強さとコンピュータの強さのレベルを近づけた場合にプレイヤが感じる自然さについて検討した。強さを自動調節して、プレイヤのレベルに合わせることができるコンピュータ将棋プログラムを開発した。このプログラムは、コンピュータ将棋の評価関数により求められる評価値がゼロに近い手を選ぶことにより、接戦が演出できる。インターネット将棋道場の主催者の許可を得て、このプログラムを置いて、プレイしてもらったプレイヤからアンケート形式でその使用感を評価させた。その結果、自身と同じぐらいの強さと感じるプログラムほど自然に感じられることが明らかになってきた。 また、人間の思考の特徴として指し手の「流れ」のようなものを感じてプレイしていることが指摘されている。この点を考慮して、コンピュータの指し手に人間らしい「手順」を偏重させて組み込むことで、人間らしさを演出するプログラムも作成した。実際にこれらのシステムを構築し、人間らしさを感じられるのかを主観評価させる実験も行い、一定の成果を得た。 これらのシステムは、強いプログラムから見ると明らかに悪手(ミス)を犯すことになるが、これらのミスが、人間らしいミスに当てはまるのかどうかをこれまでに行ってきたミスの分類などから調査して、分析を始めている。これらの人間特有のミスをその原因に基づいて分類し、認知科学的なモデルの提案を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人間の生物学的制約を持たせたシステム、生体情報を用いた実験も予定通り行っており一定の成果を収めている。また、平成25年度に行った「人間らしいミスの分類」の知見にもとづいて、将棋を題材に、相手のレベルに合わせて弱くするAIや人間らしい流れ(手順)を考慮したAIの構築も順調である。 今後は評価実験を積み重ね、より人間らしく自然なミスを犯すAIの認知モデルを構築していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
人間が犯すミスには、人間特有の相手モデルを考慮した思考が大きな影響を与えているのではないかと推察される。現在、簡単なゲームを題材にして相手モデルの有無が思考過程に与える影響やそれによって陥るミスについて考察を深めている。認知科学的実験を進行中であるので、これらの分析結果からの知見をまとめていく。
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