研究課題
平成27年度は調査対象としていた西部太平洋の亜寒帯・亜熱帯の2地点のうち、亜寒帯域のK2地点において表層域(200m以浅)の懸濁態全窒素同位体・クロロフィル窒素同位体比、一次生産者の光合成基質となる無機態窒素濃度測定、硝酸態窒素同位体比測定用の試料の採取を行い、これまでに本研究で採取された試料と共に各項目についての分析を行った。最終年度である平成27年度は、より明確な「植物プランクトンによる光合成とそれに伴う無機態窒素利用」に関する知見の獲得を目的として、亜寒帯域のサイトにおいて、無機態窒素量が変化しているタイミングで複数回の試料採取を行い、光合成における窒素利用の変化に関する解析を実施した。外洋域におけるより簡便かつ効率的な試料採取手法として、試料採取において大型現場ろ過装置を用いた大容量サンプリング手法を新たに導入した。またクロロフィル色素の窒素動態比分析は本研究課題において平成26年度までに検討・開発を実施した手法を適用した。平成27年度および本研究でこれまでに採取された試料について得られた栄養塩濃度、硝酸態窒素およびクロロフィル色素の分子レベル窒素同位体測定結果は、分担者がYoshikawa et al.(2005) をもとに本研究海域にあわせて再構築した海洋窒素循環モデルを用いて解析され、これにより西部北太平洋における植物プランクトンによる栄養塩窒素利用バランスが計算された。これらの結果の一部は国内・国際での学会等で発表され論文として執筆中である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Oceanography
巻: - ページ: 1-18
doi:10.1007/s10872-015-0308-2