研究課題
A. 新規NER阻害物質の探索と同定東大創薬オープンイノベーションセンターのコアライブラリー9,600化合物のスクリーニングより得たヒット化合物(12種)について、より信頼性の高いNER評価系であるELISAを用いてNER阻害活性の検証を行った。このアッセイでは、相当量の化合物が必要なため、商業ベースで手に入るものは購入し、入らないものは研究協力者の後藤氏に合成を依頼した。その結果、入手できた化合物の中で、新たに1種で弱いNER阻害活性を検出した。このNER阻害化合物は、6-4PPよりもCPDに対して修復阻害を示す可能性があり、詳細な解析を進めている。B. NER阻害物質NERiKU001の解析NERiKU001 (A6) によって誘導されるERCC1の分解誘導に関与するユビキチン・プロテアソーム系因子を同定する目的で、siRNAライブラリーを用いたスクリーニングを行ったところ、ノックダウンによりERCC1のA6誘導分解が抑制される2種の因子を見出した。これがNERiKU001 (A6) の直接的な標的である可能性について検討を行っている。一方、文献(Alekseev et al., 2014)で報告されたスピロノラクトンがXPBを分解誘導する反応系と、NERiKU001 (A6) によるERCC1分解誘導系を詳細に比較した結果、両化合物によるNER因子の分解誘導は各々XPBとERCC1に特異的であり、その動態はスピロノラクトンによるXPB分解誘導の方が速やかでより長く持続することがわかった。また、両者を中濃度域で併用すると、各々の単独時より強い阻害活性を示すことが明らかになった。以上の結果より、複数のNER因子で細胞内レベルを調節する仕組みが存在することがわかり、両化合物はこの仕組みの解明やNERのメカニズム解析に有用であることが示された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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