研究課題
本研究では脳発達に不可欠な甲状腺ホルモンとグルココルチコイドに焦点をあて、これらのホルモンを介する環境刺激がどのような機構で脳成熟を調節しているのか、オペラント等の行動解析から細胞培養、ChiP-on-ChIP やゲノム編集など分子レベルまで体系的な研究システムを構築して解析することである。本年度の実績は以下のとおりである。1)先天性甲状腺機能低下症モデルマウス(Duox KOマウス)をモデルとして用い,小脳機能が低下することを行動学的,電気生理学的に同定した。特に,プルキンエ細胞と並行線維間のシナプス機能が変化していることを明らかにした。2)環境化学物質のガドリニウムキレート剤が甲状腺ホルモン受容体を介する転写と甲状腺ホルモンによる小脳発達を変化させることを明らかにした。Linear Gadloiniumの方が,Macrocyclic Gadoliniumの方が毒性が強かった。3)有酸素運動により,ラット骨格筋の甲状腺ホルモン感受性が変化することを報告した。ヒラメ筋において,有酸素運動は甲状腺ホルモン受容体発現を増加させ,またいくつかの甲状腺ホルモン感受性遺伝子発現を促進した。しかし,無酸素運動はむしろ発現を抑制することがわかった。4)網羅的解析については現在も解析を実施中である。具体的には,本教室で作成した遺伝子改変動物(小脳プルキンエ細胞にdominant negative TRを発現されたマウス)のマイクロアレイを実施している。ChIP on ChIPについてはシステムを開発中である。本年度で計画は終了であるが,今後も本計画をさらに発展させる予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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