研究課題
標本採集:前年度に引き続き京都、沖縄および横浜にてトビムシ類を採集し写真撮影、標本作製を行った。樹上、材上、菌類子実体上など多様な環境から採集を行い、さらに多くの種の標本を得ることができた。未記載種、日本未記録種の可能性のある1部の標本については専門家に同定を依頼した。DNAバーコードの解読:前年度に引き続きDNAバーコード領域の塩基配列決定を行った。形態による同定が可能な状態で標本を残すようにDNA抽出方法を工夫した。また、簡易DNA抽出法の開発を行いその成果を論文発表した。ミトコンドリアのCOI遺伝子の塩基配列に加え、ミトコンドリア16S rRNA、核18S rRNA、核28S rRNA遺伝子の部分塩基配列を決定し、分子同定ならびに系統解析の基礎データを蓄積した。次世代シーケンサーによる種同定、半定量プロトコールの開発:いくつかの遺伝子のなかから、次世代シーケンサーによる解析が容易な遺伝子を絞り込み、次世代シーケンサーによる解析を行うためのプライマーをデザインした。また、種数および個体数が既知の模擬群集を作成し、同手法による定量性の検証を開始した。野外実験:7月に京都で野外実験のための処理を行った。樹木根からの糖類供給量の変化にともなう土壌動物群集の変化を明らかにするために、林床に実験的にグルコース水溶液あるいは水を添加し、それに対する土壌動物群集の反応をみた。定期的に土壌環境測定およびトビムシ群集の抽出を行った。
2: おおむね順調に進展している
各人の意識と技量の高さ、メンバー間の緻密な議論による。大きな問題はおこらなかった。京都における標本収集はほぼ完了し、DNA増幅のための条件検討も概ね終わった。
野外実験を実施したが、乾燥が続いたために当初期待しいたほどのトビムシ個体数が得られなかった。そのため、野外実験により得られたサンプルの一部を次世代シーケンサーで解析することを計画していたが、それよりも全てのサンプルを同じ方法で解析し、繰り返しを増やしたほうが有用な科学的知見が得られると判断した。次世代シーケンサーによる群集解析には模擬群集あるいは室内実験により得られた群集を試供することを検討している。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
Applied Entomology and Zoology
巻: 未定 ページ: 未定
10.1007/s13355-015-0340-0
Edaphologia
巻: 95 ページ: 43-82