研究課題
標本採集:これまでの採集で得られた標本の一部については国内外の分類学研究者と共同で新種発表の準備を進めた。その報告に必要な比較用の標本を国内の数地点から採集し、塩基配列と外部形態を標本間で比較した。また、裸地における標本採集方法も検討した。DNAバーコーディング:次世代シーケンサー(NGS)を用いたハイスループットなトビムシDNAバーコンディング用データベース構築手法の検証を行った。具体的には、我々が開発した非破壊的にトビムシ一個体からDNAを抽出、増幅する手法(TE-Boil法)をNGSと組み合わせる事で、より多くの検体(100個体以上)から、形態を含む配列情報(CO1, mt16S)を一度に取得する方法の検討を実施した。解析ツールの開発:以上の解析により得られたデータをもとにデータベースの構築を進め、これを使ってmetabarcodeデータを再計算し、同種異種の判定に用いる閾値の妥当性を検証し、データ処理パイプラインを確定した。機能形質の評価:形態データを整理した。トビムシ個体群を継代飼育し、生活史や行動にかかわるデータの測定方法を検討した。野外実験:上賀茂で立ち上げたグルコース添加実験で採取した土壌動物の同定を完了した。
2: おおむね順調に進展している
本プロジェクトの成果がいくつか論文として発表されつつある。DNAバーコーディングについては新手法の開発により大きな進捗がみられた。反面、飼育困難あるいは成長に時間がかかる種も多く、機能形質の評価が遅れぎみである。
DNAバーコードや分類学に関するデータについては蓄積されつつあるので、論文執筆をすすめる。分子系統関係の解析と機能形質データの取得を推進し、種多様性、系統的多様性、機能的多様性を統合した解析手法の開発を急ぐ。プロジェクトメンバーでのミーティングの機会を増やし、まとめ方や今後の方向性について議論する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
Edaphologia
巻: 98 ページ: 21-27