研究課題/領域番号 |
25281034
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
稲葉 一穂 麻布大学, その他部局等, 教授 (60176401)
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研究分担者 |
永野 匡昭 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 研究員 (10393464)
村田 智吉 国立研究開発法人国立環境研究所, その他部局等, 研究員 (50332242)
山村 茂樹 国立研究開発法人国立環境研究所, その他部局等, 研究員 (90414391)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 環境変動 / 土壌圏現象 / 水質汚濁・土壌汚染防止・浄化 / 有害化学物質 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、当初提案したサブテーマの他に、健康影響が大きいと予測される汚染元素の回収法について新たに検討を開始した。本年度は地下水中に浸出した3価ヒ素を対象として、環境負荷や経済負荷が小さく、安定して3価ヒ素を回収できる吸着剤を開発することを目指した。環境への影響が少ない回収資材として廃貝殻を躯体に利用し、その表面に硫酸第二鉄処理を行うことで、3価のヒ素を対象とした新規吸着剤を合成した。 この吸着剤を用いて水溶液中の3価ヒ素の回収試験を行ったところ、1gの吸着剤で0.2mgの3価ヒ素を回収できることが明らかとなった。この吸着剤は、合成時に高温高圧などの環境への多大な負荷を必要としないこと、水産廃棄物を原料とするため安価に製造できること、吸着容量が大きいことから、廃家電製品からの溶出のみならず、広く地下水中の3価ヒ素の回収に利用できる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画での金属溶出と土壌内拡散、土壌微生物群集への影響については、各担当者が着実に遂行している。新たなテーマである健康影響が懸念される元素の回収についても、3価ヒ素に関して新たな回収剤の開発において成果が上がっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度が最終年度であることから、各サブテーマの研究を完了させると共に、得られた成果をまとめて廃家電製品の不法投棄等による土壌汚染の危険性に関する評価と汚染管理手法の検討を行い、廃家電製品由来の環境汚染の管理のあり方を提言すべく総括する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
代表者が新たに開始した健康影響が懸念される元素の回収法の研究において、当初の予定よりも研究がスムーズに進捗したために余剰が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
代表者が新規に開発した吸着剤について、その構造解析などが新たな研究課題として発生しており、これに対応する表面局所分析などの依頼分析費用とする予定である。
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