二酸化炭素地下貯留における最大の懸念は浮力に伴う漏洩である.本研究では,多孔質内部の空隙スケール計測に基づいて漏洩を阻害するトラップメカニズムの解明を行った.キャピラリートラップ飽和率は初期ガス飽和率に強く依存するため,初期ガス飽和率を決定する界面張力,粘性,浮力の影響をモデル化し,トラップ量推定を可能にした.次に,溶解トラップに移行する上で支配的な現象となる自然対流現象のモデル化を行うとともに,分散現象(多孔質の複雑性に伴う見かけの拡散現象)が対流開始時間に強く影響していることを見出した.また,溶解に関する物質輸送現象を対象として,デジタルロック技術の開発を行った.
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