ppbレベルが判定可能なナノ薄膜試験紙の基盤技術の確立と環境試料での評価を行った。有機ナノ粒子作製として、ミスト化を経る作製法およびゼラチン中での合成を発案し、後者は粒径制御および長期間の分散安定性を見出した。ナノ粒子薄膜の浸透性の改善に水溶性ポリマーや保湿剤の添加が効果的であった。浸透性の制御をヒントに、新たにニッケル合金表面のニッケル検出用接触試験紙を発案した。ppbレベルでの鉄(II)および鉄(III)用の試験紙を作製し環境水中での測定を行った。鉄(II)用の試験紙での10秒の迅速モニタリングによって、地下水汲み上げ直後の鉄(II)から大気の溶け込みによる酸化過程の追跡に成功した。
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