湖沼生態系保全を目的に数理モデル研究と室内実験を行った。始めにウキクサの根圏細菌群集が藍藻類を捕食する効果を数理モデルに導入したところ、栄養塩負荷の低減を行うことなく藍藻類の増殖を抑制できることが示された。また、ウキクサ根圏細菌が細胞密度依存的なシグナル伝達によって殺藻性を示すことが示唆されていることから、そのメカニズムについて酵母細胞を用いて検討したところ、高密度化した酵母細胞は高い同期性を示すことが明らかとなった。さらに、ウキクサと共生している細菌群集構造をPCR-DGGE法により調べたところ、藍藻類の増殖抑制に関わると思われる特徴的な挙動を示す細菌群集の存在が見られた。
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