研究課題/領域番号 |
25281065
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
南齋 規介 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 主任研究員 (80391134)
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研究分担者 |
中島 謙一 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物センター, 主任研究員 (90400457)
小口 正弘 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物センター, 研究員 (20463630)
谷川 寛樹 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90304188)
近藤 康之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80313584)
加河 茂美 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (20353534)
橋本 征二 立命館大学, 理工学部, 教授 (30353543)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 家計消費支出 / 最適化モデル / 固定資本係数行列 |
研究概要 |
本年度は2005年産業連関表の「家計消費支出」部門における商品別支出額を出発点として,次のように消費財の将来需要推計を行った。まず,「家計調査」,「全国消費実態調査」等の世帯構成と消費の関係を示す公的統計を用いて,世帯属性別に各消費財の需要量を調査し,家計消費支出を「世帯属性別の家計消費」に分割した。分割においては,家計消費支出の消費別支出額を制約条件とし,消費の統計から得られる各世帯の消費の特性が最も反映されることを目的関数とする数理計画問題を作成して用いた。得られた世帯属性別の家計消費額に将来人口,将来世帯数,将来世帯構成人数のデータを組み合わせることにより,2005年から2035年までの世帯別商品別家計消費支出額を推計した。この時,将来世帯構成人数は将来人口と将来世帯数と整合するよう数理計画法に基づき独自に算定を行った。また,商品別に世帯構成人数との需要の増減との傾向を家計調査から算定し,世帯構成人数の増減に合わせて,各商品の需要額の増減を考慮した。耐久財はまず固定資本全体の経年的な傾向を把握するため,産業連関表に付帯の固定資本形成行列の時系列データを部門統合および価格の実質化を行って整備した。各資本形成ごとに経年変化を定量的に確認し,固定資本形成総額については,GDPとの相関が高いが,固定資本の種類別に見ると,土木・建設の急減な増減と情報系等の急激な資本増加が確認され,時系列データに基づく簡易な回帰分析では長期傾向を捉えられない資本形成を特定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本の消費者責任基準GHG排出量に対する寄与が最も大きい,家計消費支出と固定資本形成について,その長期需要推計の方法論の開発を着実に進め,次年度に改善すべき課題が明確となっており,進捗は着実に行われている。
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今後の研究の推進方策 |
家計消費の将来需要推計において世帯数が2035年までしか予測値が公開されていないため,2050年の推計に向けて独自の推計方法を開発する必要があるなど,明らかになった課題に対して適切に対応していく方針である。また,固定資本においてもデータの追加を行って時系列データの回帰方法を改良し,需要推計の方法論の確度を高める。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究は需要,貿易,技術変化について経年的なデータ整備を行い,モデルによるGHGと資源の将来推計と耐久財寿命に関するシナリオ分析を行うため,膨大かつ煩雑なデータ処理と多くの計算回数を必要とする。そのため,研究支援者(博士研究員を想定)を雇用する予定であったが,適切な人材を確保することが出来なかったため,人件費として計上していた経費が未使用となった。 人材確保が困難であることから,研究支援を研究分担者を追加することで補うことにする。そのため,未使用額については,研究分担者への分担金として利用し,分担者の物品費,旅費等に使用する。
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