研究課題/領域番号 |
25282002
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
井口 壽乃 埼玉大学, 人文社会科学研究科(学際系), 教授 (00305814)
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研究分担者 |
児玉 幸子 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (10323883)
伊原 久裕 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20193633)
井田 靖子 (菅靖子) 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (20312910)
山本 政幸 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (80304145)
暮沢 剛巳 東京工科大学, デザイン学部, 准教授 (80591007)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 視覚文化 / デザイン資源 / デザイン学 / 情報デザイン / メディア / デザインアーカイヴ |
研究実績の概要 |
平成27年度は、研究代表者と分担者それぞれがデザインアーカイブの調査を継続した。井口壽乃は米国ニュー・スクール・フォ・ソーシャル・リサーチにてファッション雑誌と写真、およびデザイン教育に関する資料を、菅靖子は英国ブライトン大学にてICOGRADA関連の資料を、井口壽乃と山本政幸は多摩美術大学の竹尾ポスターコレクションを調査し、戦後日本デザイン界が国際化する過程における日本独自のデザイン創造活動の形成と発展についてICOGRADAを中心に検討した。 オランダのデザイン史研究者Wibo Bakker氏と日本のオリンピックおよび大阪万博のピクトグラム作家である太田幸夫氏、道吉剛氏とのワークショップ「日本の公共ピクトグラムの展開をめぐって」を2016年1月11日、埼玉大学ステーションカレッジにて開催した。 さらに、前半2年間の研究の成果を国際デザイン学会連合国際会議(IASDR2015)(児玉幸子・井口壽乃)と国内学会では日本デザイン学会にて口頭発表(井口壽乃)と日本デザイン学会特集号『デザイン学研究』において論文が掲載された(伊原久裕、山本政幸)。暮沢剛巳はワシントン大学にて開催されたシンポジウムにて、戦後日本のデザインに関する研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、研究代表者と分担者がそれぞれ計画していた調査研究は概ね実施された。さらに代表者と分担者はそれぞれ、IASDR国際会議および日本デザイン学会にて研究発表し、プロジェクトの中間の研究成果も公表された。最終年度のまとめと公表に向けて、展覧会開催計画は会場となる多摩美術大学の竹尾コレクションと英国ブライトン大学のICOGARADアーカイヴスからの協力が得られたことで研究テーマの深化がはかられ、さらに国際的観点から日本のデザインの歴史的評価について検討がはかられた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成28年度にむけて、研究のとりまとめと研究成果公表のための準備に重点を置き、以下の4点を中心に分析を進める。研究公表として展覧会「デザイン資源の可能性」を開催(多摩美大学資料センター、10月)し、論文集発行を予定している。 1)ICOGRADAに日本の芸術家の関わりと戦後日本のデザインの発展に関して、タイポグラフィとピクトグラムを中心に分析する。2)戦前から戦後に続く近代グラフィック・デザインが、戦前のヨーロッパから戦後のアメリカと日本にいかに継承され、変容と発展を遂げたかを分析する。3)デジタル技術とデザイン表現、および視覚文化との相関を分析・考察する。4)デザイン・アーカイヴス、デザイン・ミュージアムの現状と問題を分析し、活用にむけての将来的展望をうちだす。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者(暮沢、山本)が計画していた国内調査(旅費)を、次年度に実施することにしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
分担者の山本は武蔵野美術大学所蔵のICOGRADA関連資料の調査を計画している。 分担者の暮沢はデザイン・アーカイヴのある国内の美術館への調査を計画している。
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