本研究は、高齢者からしばしば聞かれる「子どもや若い人から元気をもらえる」との慣用句をリサーチクエスチョンに設定し、その解明を目的としている。本年度は東京都板橋区および群馬県草津町で実施したパネル調査データについて、多母集団(65-74歳/75歳以上)の交差遅れ効果モデルを用いて、世代間交流と健康アウトカムの因果関係を検証した。その結果、地域の子どもとの世代間交流を通してポジティブな感情体験を経験することが高齢者の健康の向上に寄与するとともに地域全体のソーシャル・キャピタルの醸成につながる可能性が明らかにされた。
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