研究課題/領域番号 |
25282013
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
増田 智恵 三重大学, 教育学部, 教授 (60132437)
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研究分担者 |
村上 かおり 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80229955)
川口 順子 高知県立大学, 健康栄養学部, 准教授 (70347657)
土肥 麻佐子 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 准教授 (60553542)
與倉 弘子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (50165784)
松平 光男 金沢大学, 学校教育系, 教授 (10142621)
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, 看護学科, 教授 (00203448)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 3次元動作時人体形状の変化 / 3次元静的動作人体形状 / 高齢者 / 着心地 / エルダーファッション |
研究概要 |
1. 60歳~83歳の男女に対して18歳~59歳合計約1600名の静止時3次元人体形状情報(長さ・角度など)を比較検討して,エルダー層のための衣服要求寸法を導いた。基本的には,身長などの高径は60代以上が他の年齢層よりとくに小さく,逆にバストなどの周径は40代も含めて50代,60代が他の年齢層より大きく,高齢者の角度によるバスト・腹部の突出が捉えられた。ただし,腰囲・大腿周径など,下部の大きさは上部ほど大きくはなく,むしろ小さくなって上下の体形のバランスが変化していることが捉えられた。同寸法でも体形形状が異なること,また動作にも影響がでてくることが推測され,下記の2での検討の必要性が捉えられた。同時に衣服設計方法に関しても安全な体形形状や寸法を反映すべき3次元体形把握方法として,体表凹凸面を角度による3次元曲率で捉えた。詳細な整理は2014年に引き続いて行う。 2. 3次元動作解析システムを導入し,これまで検討されていない着心地と安全のための衣服着用時の人体体表面と衣服の動作時の解析方法を探り,具体的な計測方法を確立する。予備実験として,計測用の黒色ネット衣服素材を選び,実際に衣服を作成して着用時と体表面の同一マーカーの動作情報のずれの同時計測について検討を行った。 3.“エシカルファッション”を導くための高齢者の衣生活観について,20代~40代~現在までの経過を含めて,個々の衣服観とその生活に影響する価値観,さらに着装シミュレーションを用いたデザイン評価を含めた2種類の調査を,中四国・関西・金沢・中部・関東で,高齢婦人合計約130名と約250名に実施した。衣生活を充実した高齢者は他の文化活動などの生活も充実しており,またファッションに関しても意欲的で,着装シミュレーションによる衣服観も活動的ファッションが好まれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的の3次元人体静止時の高齢者及び比較の他の年齢層の体形情報は充分に集められ整理できつつあるが,人体と衣服着用時の3次元動作解析システムを選定するための機器を借りての予備実験に時間がかかり,購入決定がやや遅くなったため本実験が次年度に回された。ただし,高齢者の衣服観などの衣生活に関する調査は実施し検討ができた。
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今後の研究の推進方策 |
3次元動作計測時の体表面のセンサーと着用時衣服表面のセンサーの計測の高精度化への検討と解析方法の検討を行い,これまで捉えられなかった衣服と体表面の「ずれ」による着心地を捉える。静止時3次元人体曲面形状からの自動衣服デザインへの発展を高齢者対象に行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年2月に実施した関東地方のシルバーセンターの高齢者3次元計測の謝金を集計した結果,残額172423円より多くなったため,大学からの一般研究費で支払ったため本科研の謝金を次年度2014年分に回すこととした。 残額172423円は三重県での2014年度の3次元計測謝金に使用する。
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