研究課題/領域番号 |
25282013
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
増田 智恵 三重大学, 教育学部, 教授 (60132437)
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研究分担者 |
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, 看護学科, 教授 (00203448)
與倉 弘子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (50165784)
村上 かおり 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80229955)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 3次元動作時人体形状の変化 / 3次元静的動作人体形状 / 高齢者 / 着心地 / エルダーファッション / 人体と衣服の3次元ずれ情報 / 高齢者の3次元体形 |
研究実績の概要 |
1. エシカルな3次元エルダーファッシヨンシステムの開発のため,引き続き中高年から高齢者の成人男女の3次元人体計測を実施し,3次元人体の相同化モデル形状を試みた。その結果若年も含めた約1800名の男女の角度による3次元曲面形状および長さなどの1次元の人体情報を得るための検討を行い,一部は査読付ペーパーを含む国際学会及び国内での学会にまとめた。最終年度の年度は,仮想立体裁断による3次元衣服設計から2次元の衣服パターン作成までを実現するためのエルダー年齢層体形に適した着心地の良い3次元ファッションシステムを構想した。 2.エルダー層の若年層とは異なる高齢者独自の動作を捉え,衣服の着心地に結びつくための動作解析を検討し,衣服素材と3次元動作計測方法を多数検討を重ねて,今回3次元情報として日本ではほぼ初めての“衣服と体表面の3次元空間情報抽出”を可能にし,「衣服着用時の動作による人体体表面とのズレ」を本科研補助費で購入した3次元マルチ運動解析システムを用いて,計測できる方法を確立した。 高齢者1名を対象に,計測点となるライトの装着位置を,左右腋窩点,肩先点など10箇所を予備実験より決定し,日常生活動作及び上肢の可動域と関係を考えて,前挙(上肢を前方に挙げながら真っ直ぐ手を挙げる),前側挙(上肢を斜め45度方向に広げて挙げながら真っ直ぐ手を挙げる),側挙(上肢を真横に挙げながら真っ直ぐ手を挙げる)について,日常着用される機会の多いシャツ,ブラウスの2種を実験服として動作計測を実施した。実験服の色は,黒のメッシュ素材で人体体表面と衣服との基準点が同時に捉えられることを確実にして,さらに一般的な白色素材の服でも実験を工夫することでライトを認識することができ軌跡の解析が可能であることを捉えて,本実験を可能にした。なお,人体体表面の基準点の動作による3次元動作情報についても測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.予定のエルダー層のデザイン服のイメージ,3次元人体形状の特徴は分析したので,ほぼ達成できた。 2.エルダー層の快適な着心地を求めるための,衣服と人体体表面とのズレに対応した衣服設計のための3次元動作計測については計測方法を確実にして,1名の計測は行ったが本年度データ充実のために多数の計測を行い,確実な着心地快適データとしてまとめる必要が課題として残っている。
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今後の研究の推進方策 |
1.エルダー層のデザイン服のイメージ,3次元人体形状の特徴情報はえられたので,本年度は衣服デザインオーダーシステムとしてまとめることを検討する。 2.「衣服着用時の動作による人体体表面と衣服とのズレ」を,3次元マルチ運動解析システムを用いての計測方法をさらに充実して,動作による衣服と人体の3次元計測データを増やして,衣服の人体の動作に伴うズレによる着心地情報を3次元情報として捉え,新しい解析方法についても衣服設計に直接結びつける方法を明確にしたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月に3次元計測したモデルの謝金と計測補助費用に残しておいた予算が,翌年度4月に請求されたため次年度使用となった。
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次年度使用額の使用計画 |
4月に3月予定の3次元計測したモデルの謝金と計測補助費用をあわせて,継続実験を執行するための3次元計測したモデルの謝金と計測補助費用として使用する。
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