非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、異所性脂肪蓄積から生じるインスリン抵抗性や慢性炎症を病態基盤とし、肝硬変・肝がんへと進行する。本研究では、身近な食品素材で強い抗酸化作用を持つカロテノイドのβ-クリプトキサンチンとアスタキサンチンに着目し、NASHへの有効性と安全性を検証した。独自に開発したモデル動物に対し、β-クリプトキサンチンは、肝臓のクッパー細胞やT細胞の浸潤抑制という炎症への作用を主として、アスタキサンチンは肝臓の脂質過酸化の抑制を主たる作用として、NASHを抑制した。カロテノイドは治療法の確立されていないNASHを予防・抑制する新たなNutraceuticalとして期待される。
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