安全性の確認されている食品添加物の食中毒細菌に対する付着阻害効果および付着力低減効果を調べた結果、プロタミン、ポリリジン、乳清タンパク質、ショ糖脂肪酸エステル、天然色素類が食中毒細菌の付着力を低減させることが明らかになっている.これらを組み合わせて試験した結果、ポリリジンおよび乳清タンパク質の組み合わせにより効果的にサルモネラの付着力が低減された。 実際の生産現場に近い条件で実験可能な栽培中のレタスを用いて、ポリリジンおよび乳清タンパク質で前処理した後、サルモネラを接種して栽培を継続し、収穫後に洗浄してサルモネラの生残量を調べた。その結果、洗浄したレタスの葉上に残ったサルモネラの生菌数を未処理の対照と比較すると、終濃度が 0.001% ポリリジン+0.25% 乳清タンパク質の混合液で前処理したレタスは 1.74 log、0.001% ポリリジン+0.25% 乳清タンパク質+0.005% ショ糖細胞酸エステルの混合液で前処理したレタスは1.42 log有意に低かった。これらの結果から、ポリリジンおよび乳清タンパク質の混合液によるレタスへの前処理は、サルモネラの葉上への付着力を低減すると考えられた。また、レタスにおいてはショ糖脂肪酸エステルの添加による付着力低減効果の増加は認められなかった。
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