研究課題
基盤研究(B)
UVAによる細胞傷害に、抗酸化物質Zeylaniin A添加によりUVAによる酸化傷害が抑制されるかを検討した。NB1RGB細胞にUVAを照射した後、抗酸化物質を添加し培養した。その後MTT assay法を用いて細胞生存率を測定し、抗酸化物質によるUVAダメージ抑制効果を検討した。抗酸化物質にはアスコルビン酸とN-アセチルシステイン及びベトナム植物Syzygium zeylanicum (L.) DCより単離した新規物質であるzeylaniin Aの3種類を用いて実験を行った。Zeylaniin AによりUVA照射による細胞死が抑制されたことから、Zeylaniin Aには酸化ストレス抑制効果があることが示唆された。リアルタイムRT-PCRの結果より、Zey AによりHO-1、IL-8、CASP3、MMP-1の発現上昇が抑制されることが明らかとなった。次にこの物質を用いて細胞培養実験を行い、過酸化水素の酸化傷害に対する、Tram成分添加の影響を検討するため、MTTassayを用いて細胞成長率を比較した。96 well plateに細胞を6000cells/wellになるように撒き、一晩培養し、過酸化水素曝露群とコントロール群にわけ、この単離物質と過酸化水素を添加し、4時間後に過酸化水素を除去して24時間後、48時間後、72時間後にそれぞれ細胞成長率の測定を行った。 ポジコンにはアスコルビン酸とNACそれぞれ200μMを用いた。その結果、48時間後と72時間後において、1μM添加群で酸化障害を回復させ、有意な細胞成長がみられたが、Tram成分20μM,30μM添加群においては細胞成長は低下し、高濃度では細胞毒性を示すことも示唆された。一方Tram BuOH層をHPLCで分析したところ、zeylaniin Aと異なるUV-Vis吸収の物質(λmax 350 nm)が一つ見えた。そこでBuOHエキスから抗酸化物質を単離し、構造決定したところ、抗酸化活性の高い物質が得られ、myricitrinと同定した。本物質はtram (Syzygium zeylanicum)からは初めて見つかった。
1: 当初の計画以上に進展している
過酸化水素の酸化傷害に対する、Zeylaniin A添加の影響を検討するため、MTTassayを用いて細胞成長率を比較した。ポジコンにはアスコルビン酸とNACそれぞれ200μMを用いた。その結果、48時間後と72時間後において、1μM添加群で酸化障害から回復し、有意な細胞成長がみられたが、20μM,30μM添加群においては細胞成長は低下し、高濃度では細胞毒性を示すことも示唆された。これはガン細胞を用いたからと考えた。Zeylaniin AによりUVA照射による細胞死が抑制されたことから、Zeylaniin Aには酸化ストレス抑制効果があることが示唆された。リアルタイムRT-PCRの結果より、Zey AによりHO-1、IL-8、CASP3、MMP-1の発現上昇が抑制されることが明らかとなった。BuOHエキスからあらたに抗酸化物質を単離し、構造決定したところ、抗酸化活性の高い物質が得られ、myricitrinと同定した。
酸化ストレスに対する効果を正常細胞や、腸管細胞を用いて検討する。また培養細胞に添加した場合にどのような形で細胞に取り込まれ、代謝され、抗酸化機能を発揮するのかをLC-MS/MSなどを用いて分子のレベルで測定する。
研究遂行に当たって、高額な分析用試薬などの消耗品が安売りをしていたので余ったため。消費税アップに伴い、消耗品額が高くなると想定され、多くの消耗品を購入する。特にマイクロアレイなどの高額な消耗品を購入するとともに、遺伝子分析技術を持った経験豊かな実験補助者を雇用する。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)
J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo)
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