研究課題/領域番号 |
25282022
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研究機関 | 仁愛大学 |
研究代表者 |
山本 浩範 仁愛大学, 人間生活学部, 教授 (60314861)
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研究分担者 |
岩野 正之 福井大学, 医学部, 教授 (20275324)
竹谷 豊 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (30263825)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リン / 感受性遺伝子 / 生活習慣病 |
研究実績の概要 |
本研究では、生体リンセンシングの分子基盤の解明と生活習慣病予防・治療法の開発を目的として、食事性リンの生体生理的作用機構の解明、生体リン感受性代謝産物の日内リズムの解析、また、発達段階でのリンによるエピゲノム修飾の解析、さらに、時計遺伝子欠損マウス、高リン血症を呈するKlotho変異マウスや腎不全モデル動物および各種細胞を用いたリンセンシング機構の解析およびリンの生活習慣病発症への関与を解明し、発達段階、日内リズム、標的臓器を統合した生体リン栄養シグナルのデータベースの構築を行った。その結果、ラットを用いた実験で鉄欠乏状態の食環境において生じる鉄欠乏性貧血をリン負荷食により遅延させること、また、食事リン負荷によりヘモグロビンと酸素の結合を調節することで組織における酸素の放出を調節している2,3-DPG(2,3-ジホスホグリセリン酸)の血中濃度が増加すること、さらに、生体鉄代謝関連遺伝子の発現に影響を与えることを見出した(M.Nakao et al. Nutr Res. 35(11):1016-24.2015)。さらに、食事リンの長期的生体作用として、高リン食が肝臓における脂質合成を負に調節することにより内臓脂肪蓄積を予防し、褐色脂肪細胞における脂質酸化およびUCP1に関連するmRNA発現を増加させることを実証し糖代謝および脂質代謝を調節する役割を明らかにした(M.Abuduli et al. Am J Physiol Endocrinol Metab. inpress)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度時に人的確保が難しかったために研究計画の遂行がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、研究計画書年度の人的確保が難しかったために、計画の遂行にやや遅れが出ている。平成26年度からは、共同研究分担者の確保を行っており、期間を延長することで遅れを取り戻せると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究初年度に、代表者が研究期間を移動したため機器の購入や人的確保が難しかったため、研究計画の遂行に遅れが生じ、本年度においてもその遅れを取り戻せない状況が続いたため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の使用計画として、細胞観察や病理解析に必要な顕微鏡機器類の補充を行なうとともに徳島大学および福井大学との共同研究により本研究計画を遂行する。代表者は、実験動物(ラット、マウス)の購入や分子生物関連試薬の購入を予定しているほか、国内外の学会での情報収集や成果発表を予定しているため旅費を計上している。さらに、論文校正、投稿および掲載のために必要な経費を計上している。
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