研究課題
果糖の過剰摂取が非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)の発症・進展のみならず、心血管系の病態にも影響を及ぼすことが知られている。一方、これまでの研究から、果糖の過剰摂取が肝細胞や心筋細胞内でのtoxic AGEs(TAGE)の生成や蓄積につながっていることが推定されているが、NAFLDとの関連が明らかにされていない。そこで、平成27年度は、1. 肝細胞や心筋細胞を用いて、果糖ブドウ糖液糖(HFCS)及びその代謝物のグリセルアルデヒド(GA)による細胞障害、2.HFCSの過剰摂取が正常ラットの各組織に与える影響、3.ヒト血中TAGEレベルの変動とNAFLDの発症・進展との関連について検討した。1.肝細胞や心筋細胞にGAを添加すると、TAGEの生成・蓄積に伴った肝細胞障害や心筋拍動の停止がみられ、これは基礎的オートファジーの活性低下から細胞内TAGEの除去機能の低下が原因であることが明らかになった。また、電顕像から小胞体異常に引き続いてミトコンドリア異常が引き起されることが示された。さらに、肝細胞を高果糖条件下で培養するとRNA結合蛋白質のTAGE化が同定され、小胞体ストレスに関与する遺伝子の減少などが示された。2.HFCSの過剰摂取が正常ラットの各組織に与える影響について検討し、HFCS過剰摂取ラットにおいては、組織中や血清中TAGE量の増加が観察された。現在、組織免疫染色や電顕による組織障害を検討中である。また、HFCS+食事性AGEsの影響に関しては、今後の課題である。3.非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者では、単純性脂肪肝や健常者に比べて血中TAGEレベルが有意に高く、また肝細胞内でのTAGE蓄積がみられている。さらに、NASHからの進展が考えられる非B非C型肝癌患者では、NASH単独患者に比べてさらに血中TAGEレベルが上昇していることが示された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 1件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)
Heart Vessels
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Cancer Epidemiol. Biomarkers Prev.
巻: 24 ページ: 1855-1863
10.1158/1055-9965.EPI-15-0422.
Nutr. Food Technol
巻: 1 ページ: 2
http://dx.doi.org/10.16966/nftoa.106
J. Clin. Lab. Anal.
巻: 29 ページ: 480-484
10.1002/jcla.21797.
World J. Hepatol.
巻: 7 ページ: 2459-2469
10.4254/wjh.v7.i23.2459.
Sci. Rep.
巻: 5 ページ: 13313
10.1038/srep13313.
Int. J. Diabetes Clin. Res.
巻: 2 ページ: 4
Med. Hypotheses
巻: 84 ページ: 490-493
10.1016/j.mehy.2015.02.002.
J. Clin. Endocrinol. Metab.
巻: 100 ページ: E739-E747
10.1210/jc.2014-3896.
Neurosci. Lett.
巻: 593 ページ: 51-55
10.1016/j.neulet.2015.03.002.
金医大誌
巻: 40 ページ: 95-103
日本未病システム学会雑誌
巻: 21 ページ: 53-58
診療と新薬
巻: 52 ページ: 513-519
巻: 21 ページ: 93-96
http://mri-ages.kanazawa-med.labos.ac/one/
https://www.youtube.com/watch?v=elvc7eo3KJQ