研究課題
大学の授業で展開される中学校理科指導法と教育実習を通して、課題解決の過程の「構造化」を指標として学生が理科授業を評価する能力に変容が現れるか検証した。学生は教育実習の経験を経ても、前述の観点において授業を評価する能力に変容が無いことが明らかとなった。これは、理科指導法で獲得した能力を基盤として、教育実習における自らの授業を評価しているためであった。さらに、本プログラム受講の学生は、児童・生徒に導入で提示する自然の事物・現象と観察・実験で扱う自然の事物・現象との関係を再構築し、授業を評価する能力をさらに伸張させていたことが明らかとなった。次に、本研究では新任教師による理科授業の変容とその契機を検証した。新任教師が行った教職1年目、3年目の理科授業を対象として、「問題解決の過程」の成立とその「構造化」の観点からプログラムの検証を行った。その結果、教職3年目になる新任教師は、各局面を関連付けた「構造化」を図ることはできていなかった。また「問題解決の過程」やその「構造化」の認識はキャリアステージとは関係がないことも明らかとなった。「問題解決の過程」の「構造化」は、いわば研修等をはじめとする外的な働きかけを契機として、身に付けるべき資質・能力として考えられ、特に、養成及び教職の導入期に身に付けるべき資質・能力と考えられる。さらに、アクティブラーニングとしての講義である「中学校理科指導法」による教師教育プログラムの開発を行った。模擬授業の構想、模擬授業の実施、授業カンファレンス、リフレクションの各段階で批判的思考のプロセスを踏むことで、学生の授業力向上を実証した。プログラム中のカンファレンスが、批判的思考のプロセスである「明確化」を行い、課題解決のサイクルの構築に寄与し、メンターの支援が「証拠重視の態度」の育成に重要であることが明らかになった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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臨床教科教育学会誌
巻: 第16巻,第2号 ページ: 105-112
巻: 第16巻,第2号 ページ: 87-94
巻: 第16巻,第2号 ページ: 95-103
巻: 第16巻,第2号 ページ: 67-74