研究課題/領域番号 |
25282033
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
杉田 克生 千葉大学, 教育学部, 教授 (40211304)
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研究分担者 |
加藤 徹也 千葉大学, 教育学部, 教授 (00224519)
島田 義也 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 放射線防御研究センター, プログラムリーダー (10201550)
山下 修一 千葉大学, 教育学部, 教授 (10272296)
柿沼 志津子 国立研究開発法人放射線医学総合研究所, 放射線防御研究センター, チームリーダー (20392219)
野村 純 千葉大学, 教育学部, 教授 (30252886)
飯塚 正明 千葉大学, 教育学部, 教授 (40396669)
藤井 克則 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70344992)
喜多 和子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80302545)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 放射線教育 / 教材開発 / リスク教育 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
放射線の生体影響を学校で実証的に理解させるため、参加型学習プログラムを開発するとともに、プログラム担当教員の指導能力向上を図ることを目的に、本研究を実施した。紫外線を含め放射線の生体影響を児童に理解させるため、理科教育、技術教育専門家が放射線生物研究者と協働して実証的学習プログラムを作成した。特に生体影響を知るための実験教材作成に努め、実験講座用に教材も作成した。教材の中には、放射線による癌化や奇形など複雑な生体影響や確率的リスクの理解を高めるため臨床事例を学習プログラムに取り入れた。 作成した放射線生体影響を知るための学習プログラムを実際に活用するため、中高生対象に実験講座を数回開催した。参加した児童の感想なども検討し、教材作成の改良の参考とした。また現場の理科教員や理科教育専攻学生にも参加を募り、プログラム作成者との意見交換を通して、生体影響を環境との相互作用から指導できる理科教員を養成した。また高校の理科教員向けにも、放射線生体影響のための学習プログラムの講習会を開催し、意見交換を行った。 一方、従来から放射線教育を出前授業などで実践している長崎大学との共同研究として、理科教員、医療従事者や大学生の放射線知識調査を実施した。この結果を集積、解析し、今後放射線生体影響を国民に知らせる役割を有するこれらの職種に不足した知識などを参考に、教員用の教材も開発した。さらにロンドン大学教育研究所やユトレヒト大学の放射線教育の専門家とも意見交換し、特に放射線の生体へのリスクを正しく理解させるための教材、実験方法を新たに開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね3年間の計画通りに実施しえた。ただしパリのテロ事件などにより、当初再訪を予定していたユトレヒト大学訪問が延期された。実際の放射線を用いた実験講座は教育的には有用な方法であり、日本での理科教員ならびに医療従事者への活用を図るための協議が行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
1年間研究を延長し、訪問しえなかったユトレヒト大学での放射線リスク教育実験講座を導入した新たな放射線学習プログラムを開発する。作成後、毎年実施している中高生向け放射線学習講座に活用し、生体への放射線の影響を理解させるための学習プログラムを開発する。また現職の理科教員の参加も募り、日本の学校での普及を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
パリ多発テロのため、ユトレヒト大学への訪問を延期した。放射線の生体影響ならびにリスク教育への学習プログラムの最終版が完成していないので、それを活用した教員養成も最終的には実施できていない。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度にユトレヒト大学を訪問し、放射線を活用した生体への放射線リスク教育教材を開発する。それを活用し、日本での中高生向けに学習プログラムを完成させる。さらに理科教員にも実験講座への参加を募ることや、高校理科教員向け講習会を開催し、本研究で開発した学習プログラムの国内での普及を図る。
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