研究実績の概要 |
本研究の目的は,モバイルARアニメーション機能を持つストーリングテリングシステムの構築とその評価であった.これまでの科研費研究では,モバイルAR環境でのストーリテリングシステム(基盤研究B, 萌芽研究など)を構築している.技術的な課題の中心は,コンピュータアニメーションであった.ストーリ中のキャラクタアニメーションの表現の際,既存のモーションからの類似検索手法が用いられるが,高次元データの検索となり計算量が膨大となる.モバイル環境での実装に当たっては,計算量を軽減しつつ高い正解率を維持する必要がある. 昨年度開発したモーション取得手法はDyanamic Time Warpingの計算を高速化し検索時間を短縮できること(従来のDTWよりも30倍以上高速),かつk-d treeを用いる既存手法とほぼ同程度の正解率と検索時間を示すことを確認できた.提案手法を実装したストーリテリングシステムを用いた小学校での評価実験に当たり、具体的な計画について調査を進めた.その結果,より高いモビリティと利用のしやすさが求められること等が明らかになった.これらの点は,以降の研究において解決すべき課題となる.
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