研究課題/領域番号 |
25282051
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
宮寺 庸造 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10190802)
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研究分担者 |
中村 勝一 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (60364395)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | プログラミング学習 / 学習履歴 / データマイニング / 状況把握支援 |
研究概要 |
経験の積み重ねにより進められるプログラミング学習に対しては,学習プロセス(学習者が経てきた学習の過程)に基づいた学習履歴分析が必要とされる. 本研究では,eポートフォリオシステムを併用した学習履歴の収集,教育データマイニング手法による学習履歴分析,学習状況の多角的な視覚化手法の3点の連携から上記課題の解決を図り,学習プロセスに基づいた学習状況把握支援を目指す. 本研究で扱う学習履歴として,システムにより自動収集可能なすべてのデータと,自動収集できないデータをeポートフォリオシステムとの連携により収集する.学習履歴分析には,教育データマイニング手法に則り,学習プロセスに着目した系列データマイニングの適用を検討する.学習状況の多角的な視覚化では,データマイニングによる多角的分析,学習者の自己の活動の振り返り,学習プロセスと学習状況の関係など,インタラクティブな視覚化ツールの開発を行う. 平成25年度は,詳細な学習履歴収集手法とその環境構築を目指した.まず初めに,プログラミング言語学習の最新動向の調査を行った.続いて,システムにより自動収集可能な学習履歴と自動収集できない学習履歴を収集する手法とプロトタイプシステムを開発した.自動収集可能な学習履歴については,Unix上で学習者が入力するコマンドのタイミングで収集する学習環境を構築する.それにより,ソースコード,エラーメッセージ,実行結果,コードの編集日時タイミングでリアルタイムに収集可能にした.システムにより自動収集できない学習履歴については,プログラミング学習用eポートフォリオシステムを開発し,上記コマンドと連携して,学習者が開発したコードの設計意図,エラー解決時の理解の深さや問題点,ファシリテータから得たアドバイス,自己評価などを自然言語として収集できるようにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りのスケジュールで進んでいると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,平成25年度に開発した学習環境とeポートフォリオシステムを用いて,実際の授業における学習履歴を収集する.平行して,学習プロセスに着目した教育データマイニング手法,特に系列データマイニング手法を開発する.そのためにまず初めにデータマイニング手法の最新動向の調査を行う.続いて,系列データマイニング手法を開発する.収集した学習履歴の組み合わせにより,適用可能なマイニング手法を試行錯誤的に探す.具体的には,さまざまな変形や加工を施した学習履歴から時系列な系列集合を作成し各種データマイニングアルゴリズムに入力し,分析結果からその妥当性を判断する.マイニングアルゴリスムや学習履歴の組み合わせ,加工方法の変更による試行錯誤を繰り返すことにより,妥当なデータマイニング手法を探す.必要に応じ,データマイニング結果やその意味付けを効果的に行うための補助ツールを開発する.ここでの知見をもとに,学習履歴収集システムの実運用版を開発する.
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