研究課題/領域番号 |
25282055
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
曽我 真人 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60252839)
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研究分担者 |
瀧 寛和 和歌山大学, システム工学部, 教授 (10304180)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | スキル / 学習支援 / 動作 / 芸術 / 楽器演奏 / 手指 / スケッチ / 気づき |
研究実績の概要 |
道具を用いた学習支援環境として,擦弦楽器の一種である二胡を道具として,初心者が二胡を用いた演奏を学習するのを支援する学習支援環境を構築した.具体的には,学習者の左手の人差し指,中指,薬指に磁気式位置センサLibertyのレシーバをそれぞれ装着し,指先位置をリアルタイムで計測して,仮想空間に表示された3DCGによる二胡に指先位置を表示し,正しい位置とのずれを表示するシステム,さらには,学習者が右手に持つ弓の両端にもレシーバを装着し,弓の動きをリアルタイムに計測して,仮想空間の二胡に弓の位置と方向を表示し,正しい位置と方向からずれている場合は,ずれに応じて弓の色でわかるように表示し,かつ,どちらの方向に弓の位置や方向を修正すればよいかを矢印で表示するようにした. テータグローブを装着した手指の動作をリアルタイムで仮想空間内に3DCGで表示し,手本の動作との差分を視覚的に容易に理解できるシステムを構築した.手話の指文字の練習などに応用できると考えられる.この研究成果は,教育システム情報学会の2014年度全国大会(第39回全国大会)にて,発表済みである.さらに,それよりも詳しい内容は,2014年11月14日開催の電子情報通信学会教育工学研究会(ET)にて発表済みである. ARを用いたスケッチ学習支援環として,ARマーカを用いて,モチーフの位置と光源の位置を自由に学習者が設定できるスケッチ学習支援環境を構築した.この学習支援環境上で,学習者は,モチーフの位置を自由に決め,構図を決定し,かつ,光源の位置を自由に決めることができるので,陰影のつき方も自由に設定できる.設定後,学習者が仮想パレット上で陰影付を行なうと,システムが陰影づけの誤りの気づきを与える情報を提示する.この研究成果は,教育システム情報学会の2014年度全国大会(第39回全国大会)にて,発表済みである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね,年度初めの研究計画どおりに進行している.道具を用いた学習支援環境,データグローブを用いた手指動作の学習支援環境,ARを用いたスケッチ学習支援環境を当初の計画通り,構築した.評価は今後の課題である.
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今後の研究の推進方策 |
擦弦楽器の二胡を用いた初心者向け二胡演奏学習支援環境については,評価実験も完了しているため,研究としては,一応,完成の域に達している. ARを用いたスケッチ学習支援環境については,引き続き,研究を推進する.現時点では,学習者が描いた陰影について,統計情報を示して気づきを与えるにとどまっているが,今後は,言語情報でのアドバイスを提示するような機能を構築したいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は,351,153円であるが,これは,2014年度の国際会議での発表5件のうち,1件は国内で開催された国際会議に投稿し,発表したことにより,出張費が安く済んだことや,2014年12月に投稿したジャーナル論文の学会側での査読が遅延し,2014年度中に採録決定がなされなかったために,掲載料を2014年で支払う必要性がなかったことなどによる.ジャーナル論文については,2015年度で採録が決定した場合は,掲載費をしはらう
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次年度使用額の使用計画 |
ジャーナル論文については,2015年度で採録が決定した場合は,掲載費を支払う必要が生じるので,「次年度使用額」を有効活用したいと考えている.また,2015年度は最終年度であり,3年間の研究期間の中で,予算が最も少ない年にもかかわらず,研究成果がまとまる時期であり,成果発表旅費や,前述以外のジャーナル論文掲載費など,予算の必要性は高いので,「次年度使用額」をそれらにも有効活用したいと考えている.
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