研究課題/領域番号 |
25282084
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
藤本 潔 南山大学, 総合政策学部, 教授 (50329752)
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研究分担者 |
渡辺 信 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (10396608)
小野 賢二 独立行政法人森林総合研究所, その他部局等, 研究員 (30353634)
井上 智美 独立行政法人国立環境研究所, その他部局等, 研究員 (80435578)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 植生・土壌 / マングローブ / バイオマス / 炭素固定 / 立地環境 / ミクロネシア連邦ポンペイ島 / 西表島 |
研究実績の概要 |
ミクロネシア連邦ポンペイではBruguiera gymnorrhiza林とXylocarpus granatum林に、西表島ではB. gymnorrhiza林に、根の生産・分解速度を観測調査するためのイングロースコアとリターバッグを設置した。また、ポンペイ島ではRhizophora apiculataの地下部生産量を明らかにすると共に、それぞれの地域に昨年度設置した試験地で、イングロースコアとリターバッグの回収を行った。西表島では、仲間川低地において、マングローブ林背後の淡水湿地から得られたマングローブ堆積物中の木片に対して14C年代測定を行い、マングローブ林の立地変動を明らかにした。また、船浦湾のマングローブ堆積物の年代測定も実施した。 その結果、ポンペイ島のR. apiculataの細根は深度80cm以上に達し、深度60cmまでの年間細根生産量は、地上部リター生産量の40%以上に上る、6.5 Mg ha-1 yr-1に達することが明らかになった。西表島のRhizophora stylosa林の深度40 cmまでの年間細根生産量は,海側地点(年冠水時間割合47.4%)と陸側地点(同27.3%)で、それぞれ5.24±0.72 Mg ha-1 yr-1、 6.90±0.79 Mg ha-1 yr-1と見積もられた。イングロースコア設置後1年経過時点の生根量は、両地点間に有意な差はみられなかったが、枯死根量は、陸側地点で有意に高い値が得られた。西表島仲間川下流低地では、マングローブ泥炭の分布範囲から3500 cal BP頃には現マングローブ林陸側林縁部から約2 km上流側に、1200 cal BP頃には同約1.5 km上流側にR. stylosa林が分布していたものと推定され、1310 cal BP以降、2回の地盤隆起によってマングローブ林は海側に前進したことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、現地における施設状況の確認等のため実施できなかったポンペイ島における窒素固定メカニズム解明に関する現地調査も、今年度からは問題なく実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に従って、着実に研究を推進していく予定である。 現在のところ、研究遂行上の問題点は存在せず、研究計画の変更は必要ない。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ予定通り支出したが、ごくわずかの未使用額が生じたため次年度に回した。
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次年度使用額の使用計画 |
物品費、旅費等として有効に使用する。
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