研究課題
基盤研究(B)
本研究では,社会的選択理論の情報学的展開の可能性を検討した。特にAmartya Senの理論に焦点を当て,その有効性検討を念頭に社会的選択過程の情報量を計算するソフトウェアシステムを開発した。開発システムの情報量測定ではシャノン理論に基づく計算手法を用いる。Senの枠組みは,単なる投票ではなく,社会的観点での観察と評価に基づくような社会的選択の論理を含む特徴がある。Sen自身の当初の意図とは別に,このことが今日の「幸福」をめぐる様々な試みにまで関連している。本研究の定量分析手法は,望ましい社会的選択が観察と評価に基づく方式でどの程度実現可能であるのかについて,再検討を行う一つの手段となる。
社会情報システム学