研究課題/領域番号 |
25282093
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
今井 昭夫 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (40160022)
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研究分担者 |
新谷 浩一 東海大学, 海洋学部, 准教授 (60290798)
西村 悦子 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (60311784)
水谷 淳 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (60388387)
松本 秀暢 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (70294262)
吉江 宗生 独立行政法人港湾空港技術研究所, その他部局等, その他 (80359231)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コンテナターミナル / スケジューリング / オペレーションズリサーチ / ロジスティクス |
研究実績の概要 |
H26年度は、コンテナターミナルスケジューリングにプライシングを適用する目的で、支払意思額の同定のために、アンケート調査の可能性を検討した。しかし、調査対象者はターミナル運営会社に当たるが、企業の経営情報の秘匿性の見地から、調査の実効性は低いことが判明した。
そこで、H26年度の成果として、まず、プライシングを理論的にスケジューリングモデルに実装する可能性について検討した。具体的には、スケジューリングモデルに寄港船の作業時間帯別のサービス料金と対象となる各船の支払い可能料金を仮定し、時間帯毎ののサービス希望有無を示すパラメータを導入することを考えた。さらに各船の希望するサービス時間窓を仮定する。過去のバーススケジューリングと同様に、各船の寄港時間帯(つまりバース窓)を決定するが、目的関数として、①各船の寄港希望時間帯と決定されたバース窓の始点との乖離(つまり希望ギャップ)の最小化と、②ターミナルオペレータのサービス料金収入の最大化を考える。そのスケジューリングの中で、各船の決定されたバース窓の時間帯で、先に定義したサービス希望有無パラメータが「無」であれば、サービス辞退として扱う。以上のモデル構成をH26年度完成させたが、H27年度は具体的なモデル化に取り組む。
H26年度の成果の2番目は、H27年度行うモデル化の基礎となる長期的バーススケジューリングのモデル化を行った。これは戦略的バーステンプレート問題と呼ばれるもので、目的関数は、H27年度行うモデルの目的関数①(ただし、希望ギャップ以外にサービス非対象船へのペナルティーも加える)を採用して、1週間の計画期間内に各船のバース窓を配置する。この成果については、世界で最も権威ある交通関係国際ジャーナルであるTransportation Research Part-Eに発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プライシングを考慮したバーススケジューリングが本研究課題であるが、プライシングのための支払意思額の同定において、予想外の困難が発生した。その代替案をH26年度検討したが、そのために進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
支払意思額のメカニズムをバーススケジューリングモデルに規範的な形で組み込むこととした。このアイデアをもとに、プライシングを考慮したバーススケジューリングモデルの定式化を、H27年に実施する予定である。より具体的に述べると、H26年度の最大の成果である、プライシングを考慮しないバーススケジューリングのモデル化と同モデルの解法の開発をもとにして、プライシングつき問題のモデル化を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
プライシングの同定のために支払意思額を求める必要があるが、そのためにアンケート調査を予定していた。しかし、調査対象者が少なく、得られるデータ量では有意な支払意思額が求められないことがわかった。そのため同調査を実施できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度、他の方法で支払意思額を求めることにする。
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