研究課題
最終年度である平成28年度はこれまで行ってきたがれき工学に関する研究成果を総合し,社会のより多くの人々に関心を持ってもらい,がれき工学研究に参加・協力してもらえるための研究整備を中心に実施してきた.本研究の中心となる物理エンジンを用いた木造家屋の倒壊シミュレーションに関しては,ソフトウェアライブラリの更新,GPU使用による並列処理の導入,家屋モデル構築支援手法の開発によって,物理エンジンに関する知識を持たない人間でも短期間で木造家屋を構築し,家屋の倒壊シミュレーションが可能となった.特にシミュレーションの処理速度が10倍以上高速化したことで,家屋1件規模の倒壊過程をほぼリアルタイムでシミュレーション可能となり,ディジタルがれきアーカイブを用いて,仮想空間内での対話的なレスキューロボットオペレーションを違和感なく実施することを可能とした.当初の計画になかった研究内容として,平成28年4月に発生した熊本地震の現地調査を益城町を中心に実施し,木造家屋の倒壊様態の事例収集を行った.また,この際の知見を元に,単独の家屋の倒壊シミュレーションに加え,最大30件の家屋からなる街区規模の倒壊シミュレーションを行い,家屋間の相互作用による倒壊連鎖/阻止や道路閉鎖の現象を仮想空間内で計算できることを確認した.これらの研究成果を,レスキューロボット研究者が集まる国際会議IEEE SSRR2016(スイス・ローザンヌ市)においてディジタルがれきアーカイブについての発表を行った.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Safety, Security, and Rescue Robotics (SSRR), 2016 IEEE International Symposium on
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10.1109/SSRR.2016.7784327