研究課題
平成27年度は平成25年度、26年度に実施してきた研究成果をもとに、海上輸送の評価システムを以下のように取りまとめた。荒天時の船速低下に関しては、波浪中の耐航性モデル、推進性能モデル、機関特性モデルの連携が必要であるが、これを時間領域にて不規則波中の現象を評価可能な形に拡張した。耐航性能についてはEUT(Enhaced Unified Theory)をベースとし、推進性能および機関性能については船舶海洋工学シリーズの基準教科書「船舶性能設計」に記載されている基礎理論をもとに構築した。このモデルにより実海域における船速低下をかなり精度よく再現できることが確認できており、この内容を研究発表したところ、推進性能および機関性能モデルについては、主機への燃料投入量を関数とするエンジントルクとプロペラトルクの差を考慮したモデルに拡張する必要を指摘され、所定の期間でそこまで到達できなかったが、今後も継続してモデルの感性に取り組む予定である。最短時間の航海計画については、研究分担者・庄司を中心に等時間曲線法によるアルゴリズムを導入し、北太平洋だけでなく、日本~シンガポールなどの海域においても拡張が実現できた。前述した耐航性能、推進性能、機関性能のアルゴリズムと連携することにより、現状のウェザールーティングシステムが大きく精度向上を実現できる一歩手前まで達成できた。この点も鋭意、継続して実施予定である。一方、海洋環境の評価については、研究分担者・高山を中心に進めたが、当初予定した排ガスの大気拡散に関するシミュレーションとして成果があまり得られておらず、この点も今後継続する必要がある。排ガスについては、船速低下モデルとの連携によりCO2排出量は大まかに推定が可能となり、今後はこの点とのリンクを図っていけば当初の目的を達成できるものと考えている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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